「何歳ですか、肺年齢
5月9日「呼吸の日」
肺活量など年齢とともに衰える肺の機能を示した「肺年齢」を、日本呼吸器学会が提唱している。昨年から5月9日を「呼吸の日」と定め、今年は5月に東京で開催予定の記念フォーラムで肺機能測定を実施するなどして、肺年齢の啓発に力を入れる。
 肺の機能は、年相応なら問題はないが、低下しているようだと呼吸不全や慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の恐れもある。同学会理事の相沢久道久留米大教授(内科学)によると、エックス線撮影やコンピューター断層撮影(CT)ではとらえられず、測定にはノズルに息を吹き込むスパイロメーターという装置が必要だ。
 スパイロメーターの測定結果は、肺活量や「1秒率」で出る。1秒率は、いっぱいに吸い込んだ息を一気に吐き出す検査で、最初の1秒間に出せた量の割合。70%以上が正常とされるが「肺活量は分かっても、1秒率は医療関係者、患者ともに理解しにくい」と、相沢教授。
 そこで学会は新たな指標作りを目指し、肺が健康な18―95五歳の二千数百人のデータを基に、肺年齢を割り出す計算式を作った。
 エックス線検査で異常を指摘され、久留米大病院を受診した61歳の男性の場合、1秒率は57%で、肺年齢を計算すると85歳となった。男性は41年間たばこを吸い続けており、軽症のCOPDと診断されたが、説明を受けるとき「57%」と「85歳」と、どちらの数値が分かりやすいかは明らかだ。
 COPDは、以前は慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれ、日本では40歳以上の約19人に一人が患者と推定される。「肺年齢を示すと患者は治療効果が実感でき、治療の意欲を高めることも可能」と相沢教授は言う。
 相沢教授によると、スパイロメーターを設置している開業医は10%程度と少ないが、最近では年齢、性別、身長などを入力して測定すれば、肺年齢が表示される新タイプのメーターも登場している。
 相沢教授は「血圧計を置いていない医療機関はなく、多くの国民は自分の血圧や正常値を知っている。新タイプが普及し、肺年齢という言葉が浸透すれば、禁煙や肺の健康への関心が高まるのではないか」と期待している。(2008/04/30)

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