|
橋本洋一郎熊本市民病院神経内科部長 |
日本人の死因の13位で、腕や脚のまひなどの後遺症が出ることもある脳卒中。そのリハビリについて、熊本市立熊本市民病院の橋本洋一郎神経内科部長に聞いた。
―脳卒中にはいくつかタイプがありますが、リハビリは同じですか。「脳卒中には、脳の血管が破れる脳出血と、くも膜下出血、それに血管が詰まる脳梗塞(こうそく)があります。治療や再発防止の方法は異なりますが、病気の結果である障害の克服という点では、リハビリに大差ありません」 「昔は脳卒中を急性期と慢性期に分けていました。現在は、身体機能が落ちないようリハビリを始める急性期、機能を改善させる回復期、悪化を防ぎ日常生活に復帰する維持期の3区分。わたしたちの病院や、連携している病院では、それぞれ発病から2―3週間以内、3カ月以内、半年以内をめどにしています」 ―急性期からリハビリを始める意義は。 「体を動かさず寝てばかりいると『廃用症候群』になる恐れがあります。これには、筋肉が萎縮したり関節が固まったりするだけでなく、起き上がると貧血を起こす起立性低血圧、飲食物が誤って肺に入って起きる誤嚥性肺炎、脚の血管にできた血栓が肺の血管に詰まる深部静脈血栓症など、さまざまな病気が含まれます」 「脳卒中の治療で大変なのは、こうした合併症との闘いなのです。回復期のリハビリを阻害する要因を取り除くため、わたしたちの病院では、病状が特に重い人を除き入院翌日からリハビリを始めています」 ―どのように行うのでしょう。 「腕や脚を曲げ伸ばしする、体を起こす、座る、立ち上がる、歩く、など、ベッドサイドでのリハビリが主流です。意識障害やまひがあっても、関節を曲げ伸ばしさせてあげるなどの他動運動は可能で必要と考えます」 「リハビリを中止する基準は、意識レベルの低下や、まひや自覚症状の悪化などですが、ベッドサイドでのリハビリなら管理できるので、まひ悪化だけで中止する必要はありません。日本の医療の課題は、急性期のリハビリが十分行われていないことなのです」 × × × はしもと・よういちろう 56年熊本県生まれ。鹿児島大医学部卒。熊本大、国立循環器病センターを経て98年から現職。 (2008/04/22) +font> |