訴訟や捜査のリスク軽減
新制度導入で対応
 医療崩壊の危機に対し、国も緊急医師確保対策をまとめるなど、重い腰を上げ始めた。産科医不足の一因とされる訴訟リスクを軽減するため期待されているのが2008年度中に創設される「無過失補償制度」だ。
 出産事故で赤ちゃんに障害が残った場合、医師の過失がなくても患者に補償金を支払う。通常分娩(ぶんべん)で脳性まひになり障害1―2級に相当すると診断されれば、補償金は2000万―3000万円と見込まれている。
 財団法人日本医療機能評価機構が運営、厚生労働省も新制度のPRなどで後押しする。
 帝王切開した妊婦の死亡で執刀医が昨年2月に逮捕された福島県立大野病院のケースなど、医療事故をめぐる強制捜査の恐れも医療現場へのプレッシャーだ。
 このため、厚労省や与党が、警察の捜査に先だって調査する「医療事故調査委員会」の計画案をまとめている。調査の目的は「責任追及ではなく再発防止」。警察に引き継ぐケースも「故意や重大な過失、悪質なもの」に限定する方針だ。
 08年の通常国会で関連法案の成立を目指すが、実施は10年度以降。
 08年度の診療報酬改定でも、厚労省は勤務医に配慮する。産科、小児科での加算を検討。救急病院への集中を防ぐため、診療所の夜間診療拡大を促すほか、「医療秘書」の導入で医師の事務作業の軽減を図る方針だ。 (2008/01/15)

トップページへ戻る

記事、写真、グラフィックスの無断転載を禁じます。
2008 Kyodo News (c) Established 1945 All Rights Reserved