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社会不安障害 中学生に多い発病 |
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「人前で字が書けない」「人と食事ができない」。人前で何かおかしなことをしてしまうのではないかという強い不安が起こす病気が「社会不安障害(SAD)」だ。実は中学生ごろに頻繁に発病し、そのまま何十年も悩んでいる人が多いことが分かってきた。 杏林大医学部の田島治教授(精神神経科)は「本人や家族は単なる内気や性格の問題と思っているが、そうではない。長い間、自分だけで悩んだ末、どうしようもなくなって医療機関を訪れるのが現状」という。 ▽「内気」ではない
SADは欧米で知られるようになったが、日本ではまだまだの段階。「“人前に出るのが怖い”というのがこの病気。よく知っている友人との場合でも、過度に緊張して食事ができなかったりする」と同教授。 このため、食事に誘われても「ちょっと」と避けてしまう。このほか、仕事中に人前で字が書けない人、他人と目を合わせられない人など、悩んでいる人はかなり多い。 「日常生活に支障が出てくると落ち込むが、自分で“性格の問題”と我慢してしまう。“こんなことで悩む”自分に悩んでしまうという特徴がある。過剰反応であることを本人はよく分かっている。内気と混同されるが、SADは内気ではない」(同教授) 大人の場合、強い不安を酒でごまかすことが多く、弱い人はアルコール依存症になる恐れがあり、また精神安定剤の乱用に結び付くこともある。 ▽うつ病へ進行も 発病年齢は0ー5歳と13歳ごろの2つのピークがあり、中学生で発病することが多いという。 ある女性は、小学校では目立ちたがり屋だったが、中二のときに発病。授業で指されると思うときや、指されることが決まっているときなどに異常に緊張するようになった。声が震え手に汗をかく。高校、大学とそれが続き、授業やアルバイトが苦痛だったという。 男性のケース。外向的な性格だったが24歳のときに大けがをして発病、その後、10年間我慢していたが、1対1の仕事の打ち合わせで体が硬直したり、異常に汗をかくようになり、仕事をやめた。その後、パニック障害を起こし、救急で受診して分かった。 田島教授は「放っておくと、そのまま治ることはなく一生引きずる。八割がうつ病やアルコール依存症になり、うつになって初めて病院に来る人もいる」と話す。 ▽脳回路の過敏性
同教授が、東京の高校生450人を調べた結果、男1・1%、女2・2%の計3%前後にSADの兆候があった。都会から少し離れた女子高では5・4%。1人で悩んでいる人は結構いそうと指摘する。病気の原因は、脳内の不安恐怖回路の過敏性が関与しているとみられている。回路の中核には「扁桃(へんとう)核」があり、通常、ある情報に対し、恐怖を引き起こして逃げる準備を行い、生物が生き延びるための役割をしている。これが過敏になると、不必要なときに体が緊張で硬直してしまうことになる。 治療は薬物療法や認知行動療法がある。「薬物療法は、抗うつ剤が中心。扁桃核の過敏性を抑制し、かなりの人が相当よくなる。治療すると、過剰な活動が落ちてくる」と同教授。 認知行動療法は、不安を感じる状況を想定し、そこに身を置くことを繰り返したり、対処法を練習したりして、実際に直面したときの不安感をコントロールできるようにする治療法だ。 田島教授は「多くの人にこの病気のことを知ってもらいたい」と話している。 +font> |