|
格闘技系スポーツでも |
|
日本人の5人に1人がかかっているとされる水虫。この水虫の原因となる白癬(はくせん)菌のうち、数年前まで国内でほとんど見つからなかった種類の菌がペットやスポーツを通じて海外から持ち込まれ、感染が徐々に拡大している。 2002年11月、石川県内灘町にある金沢医大病院に20代女性が訪れ、「ステロイドを1カ月ほど塗っているが手の湿疹(しっしん)が治らない」と訴えた。 ▽ハリネズミから ![]() 皮膚科の望月隆・助教授が菌の有無を調べたところ患部から白癬菌が見つかった。だが女性の足に水虫はない。手だけが水虫になるのはおかしいため、詳しい話を聞くと「4年前からハリネズミを飼っています」と女性。ハリネズミの抜け落ちた針と女性の手の皮膚を培養したところ、両方からアルスロデルマ・ベンハミエという種類の白癬菌が見つかった。 望月助教授によると、アルスロデルマ・ベンハミエは従来、国内にはいないとされてきたが1996年以降、発見の報告が出始めたという。 治療法は普通の水虫と同じで抗真菌剤の塗り薬を使う。いったん症状が悪化することがあるが、1日1回程度、根気よく塗れば、2-4週間で治る。 問題は白癬菌の感染と診断できるかどうか。この女性も、最初に受診した近所の皮膚科で「手荒れ」と診断されていたという。 これまでにこの菌の人への感染が国内で報告されたのはハリネズミのほかにウサギとモルモット。全国での症例数は不明だが「ペットブームに乗って増える恐れがある」(望月助教授)。ウサギなどのペットに脱毛などの症状が見つかったら、獣医師に調べてもらった方が良さそうだ。 ▽2001年から急に 海外からの白癬菌はレスリングや柔道などの接触プレーの多いスポーツでも感染が広がり問題になっている。 こちらは同じ白癬菌でもペットの場合とは異なるトリコフィトン・トンズランスという種類。2001年から高校などで集団発生の報告が急に増え始めた。 手や足などに出ると、見えるのですぐに分かるが、頭にできると見つかりにくい。自覚症状がないまま、ほかの選手にうつしている可能性もあり、注意が必要だ。 「現在は格闘技系のスポーツ選手に限られているが、一般の人にも徐々に広がる可能性がある」と望月助教授。「感染拡大を防ぐためには、スポーツ保険のようなもので、きちんと治療する仕組みが必要かもしれない」と指摘している。 |