『脳をはぐくむ 4』

専門医に早期受診を 
瀬川昌也院長
 

 ―睡眠覚醒(かくせい)リズムの乱れによる発達障害は治せるのでしょうか

 「キレるなどの情緒面の障害は四カ月までの育ち方が原因なので、一歳半、少なくとも二歳までにみせてくれないと難しい。一歳半から幼稚園までの間に昼夜の区別がちゃんとできず、対人関係に問題が出た場合は、もう少し遅くても大丈夫ですが、十歳ぐらいまでに専門医にみせる必要があります」

 ―治せる期間は短いのですね

 「ネズミでもセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンのバランスを崩すと、社会性や環境順応、高次脳機能が損なわれる。さらに、条件によってはキレて攻撃的になることがあります。この時、最も基本になる脳の機能を発達させるセロトニン神経の軸索は、生後十日くらいで無くなってしまう。人間でいうと一歳半から二歳。これを過ぎるとどうやっても治せません。ただ、社会性の方は、多くの神経系を使うため、少し融通性があります。別の系で代償させるのです」

 ―逆に睡眠覚醒リズムを調整することで自閉症などの症状も軽減できるのでしょうか

 「自閉症は四カ月までの昼夜の区別がつかない。睡眠の記録を付けてあれば、四カ月で診断できます。その段階で対応すれば、治療可能な状態になります。少し変わった性格だけれど、普通の生活を送ることができます。よく寝るので『静かで育てやすい』と放置され、発見が遅れるのです」

 ―そのほかの病気は

 「ダウン症も睡眠覚醒リズムをしっかり付けて、ハイハイを徹底的にさせれば、専門学校に行けるレベルになります。チック症など、ほかの病気でも、睡眠覚醒リズムに注意し、初期の兆候を見つけて早く治療することが大切です」

 


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