増える子供のめまい
転びやすさなどに注意
 めまぐるしい現代社会。大人だけでなく、子供の「めまい」も増えているそうだ。埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉(いんこう)科の坂田英明医長は「子供のめまいは大人とは全く異なる。専門家もいない。また新生児期や乳幼児期、学童期とでは疾患や病態も違う」と指摘する。
▽2つに大別
 大人の場合、めまいの原因はメニエル病や血管障害などが多いが、子供ではそういうケースはほとんどない。
 子供のめまいは、本人の訴えるめまい(知覚の異常)と、平衡失調によるバランスの異常(運動制御の異常)の2つに大別される。
 「めまい感を訴えることができるのは幼児期(4-5歳)ごろから。それ以前は独り立ちが遅い、転びやすいことなどで気付く場合が多い」と同医長。受診は整形外科や小児科を訪れることが多いようだ。
 発達が少し遅いだけというときもある。一般的にはボーダーラインのケースが多く、診断は結構難しい。
 特に3-4歳で転びやすいという場合、脳腫瘍(しゅよう)の好発年齢ということを頭においておく必要があるという。
 5歳男児のケース。普段は元気だったが、転びやすく、時々吐いた。頭痛を訴えるので調べてみると、目に異常な動き(眼振)が出ていたため、エックス線CTで脳を診た結果、小脳に腫瘍があることが判明。脳外科に入院した。
 通常の検査は、母親からの入念な聞き取りを含めた問診から始まり、運動発達の評価をして平衡機能に異常がないかを確認。その後、聴力チェックで内耳の障害を調べたり、回転検査、前庭眼反射などいくつかの検査を組み合わせたりして、異常の有無を調べる。
 ▽多い起立性循環調節障害
 学童期に多いのは起立性循環調節障害(いわゆる脳貧血)。思春期の女児に多く、体の成長に自律神経が追いついていかないために起こるもので、血圧や心電図の検査で分かる。
 また、この時期には、心身的な原因によるめまいも多くなる。「頭痛や、めまいがするので学校に行きたくない、などの訴えで受診することも多い。心身的なものと分かったら、精神保健の専門家のところへ送る必要ある」(同医長)。
 子供のめまいや平衡障害は年齢により、ある程度原因を絞ることができるという。坂田医長は「子供が訴えるときは何かあるので周囲の人は見逃さないでほしい」と話している。
共著に「めまいを治す本」マキノ出版、定価1300円がある。



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