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虫歯の原因となるミュータンス菌。日本人の9割が感染しているが、生まれたばかりの赤ちゃんは持っておらず、母親など周囲の人から感染すると考えられている。クラジ歯科医院(東京都大田区)の倉治(くらじ)ななえ院長は「ミュータンス菌の母子感染は予防できるし、親の菌を減らすこともできる。『虫歯は仕方がない』とあきらめないで」と話している。
倉治院長によると「日本人の虫歯の状況は以前よりは良くなったが、世界と比べるとまだまだ多い」。日本では85歳を超えると歯がほとんど残っていない人が多く、12歳での虫歯経験本数も欧米各国の倍以上だという。
▽唾液を介して感染
同医院で2000年、3―6歳の子供の虫歯とミュータンス菌の関係を調べた。虫歯がない子は、感染していないと75%だったが、感染していると23%だけだった。同様の結果はスウェーデンなどでの研究でも明らかになっており、倉治院長は「一番簡単な子供の虫歯予防は、ミュータンス菌に感染させないこと」と指摘する。
ミュータンス菌は母親ら周囲の大人から唾液(だえき)を介して感染する。菌が多い人は唾液にも菌がたくさんいるため、食べ物を口移しで与えたり、落としたおしゃぶりをなめてきれいにしてからしゃぶらせたりという何げない行為で感染してしまうのだという。では、どうすれば感染を防ぐことができるのだろうか。
▽キシリトールも効果的
倉治院長によると「周囲の大人が菌を減らすために虫歯を治し、再び虫歯にならないように予防する」「赤ちゃんに口移しで食べ物をあげることなどは避ける」などが感染予防の基本。
虫歯予防にはフッ素化合物入り歯磨きやキシリトール入りガムなどが効果的。感染を防げなくても遅らすことができれば虫歯の本数を大幅に減らすことができるという。
同医院では子供の虫歯予防のため、母親らの虫歯も治療し、キシリトール摂取と定期的な歯のクリーニングを実施。その結果、受診した13歳以上の患者の菌保有率は1999年の93%から2003年には83%まで低下した。
「母親の菌を減らせば子供にも感染しにくくなる。防ぐ方法は分かっているのだから、何とかして感染をストップさせたい」と倉治院長は話している。
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