「どうなる外国人介護士-3」
フィリピン日本人村で老後
介護人材の受け皿にも
 フィリピンの米軍基地跡地に作られたスービック自由貿易港地区。米軍将校らが住んでいた一戸建て住宅を改修した退職者向け日本人村「トロピカルパラダイスビレッジ」がある。
 特区への出入りは厳しくチェックされ、治安の心配はない。日本語ができる介護士による介護も受けられる。マリンスポーツや乗馬、ゴルフなとも楽しめる立地だ。
 現在住んでいる日本人は駐在員家族も含め33人。65歳以上の高齢者は3人で、必要に応じて散歩の付き添いや食事、入浴の介助などを受けている。
 入居者からも「暖かく気候が良くて楽。安全で、近くに病院もあり、医療の面でも問題ない」とおおむね好評だ。
 運営するN・T・トータルケアの斎藤徹夫東京事務所代表は「退路を断って永住となると精神的負担も大きくなる。日本が寒い時期に、暖かいフィリピンで過ごし、いつでも帰る所があるという形を勧めたい」と話す。
 在日フィリピン介護士協会によると、こうした日本人高齢者向けの施設整備は1980年代に本格化したが、日本国内で「老人を海外に追い出している」などと批判を浴びたり、悪質業者による詐欺事件などもあったりと、必ずしも順調ではなかった。
 しかし、物価の安さや近さなどで今も根強い人気はある。現在、日本人対象の住宅や介護施設は15―20程度あるという。
 フィリピン政府も医療や保養などを目玉にした外国人客の獲得を後押しする。マニラ首都圏のサントトマス大学病院は、日本人など外国人向けリハビリ病棟の設置を予定。優遇税制が受けられる医療特区として政府に申請し、外国人患者を呼び込みたいとする。
 フィリピン国内では、今も高い収入を求めて医師や看護師の海外流出が続く。介護士の養成校も1000近くあるとされるが、「フィリピンでは家族介護が中心で、介護士が働く場はほとんどなく、海外に出て行かざるを得ない」(同協会)。海外から人を呼び込めば、国内の人材が働く受け皿を確保できる。
 介護される人を求めるフィリピンと介護してくれる人を求める日本。お互いへの理解は十分ではないが、補える部分は大きい。日本が外国人の人材受け入れを成功させるには、現実に対応した見直しも今後必要になりそうだ。(完) (2007/12/18)

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