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焦りの一方で冷めた見方も 日比経済協定の未批准で |
日本、フィリピン両政府が昨年9月に締結した経済連携協定―。これによりフィリピンから介護士600人、看護師400人の受け入れが決まったが、締結から1年以上たっても、協定がフィリピンで批准されていないため、日本行きのめどは立っていない。
介護士や養成校関係者らに焦りの色も見え始める一方、フィリピン国内には、日本に対する冷ややかな見方もある。ミンダナオ島ダバオ市にある「ミンダナオ国際大学」。日本で働く介護士やそのリーダー養成のため、日本フィリピンボランティア協会が支援して2002年に設立された。06年に日本語や介護を学ぶ福祉学科の卒業生20人が初めて誕生したが、多くの学生は就職先がなかった。 同大の網代正孝・日本側代表理事は「当初はフィリピン人が日本へ行く方針だったが、今は日本の高齢者などに現地の滞在施設に来てもらって仕事を作ることを考えている」と話す。 ただ協定の交渉が本格化した3年前に高まった“日本熱”は、協定に大卒などの条件がついたことで冷めたという。 協定が批准されないのは、国内に強い反対論があるためだ。協定には関税削減など別の項目があり「日本の有害廃棄物輸出の可能性が高まる」と環境団体などが批判。看護師協会も「ほかの先進国の待遇より悪い上、日本語の国家試験に通らない限り、日本人と同じ地位で働けない」と反発する。 現地の事情に詳しいラサール大大学院のフレッド吉野教授は「日本は来たいなら入れてやるといった態度だが、フィリピン人にしてみればどうしても行かなければならないという思いは感じられない」と両国の思いのズレを指摘する。 人口の1割に当たる人が海外で働くフィリピンにとって、日本はもともと選択肢の1つにすぎない。 それでも、フィリピンより高い報酬が期待でき、欧米に比べて近い日本が魅力的であることには変わりはない。 日本人向け滞在施設で介護士として働きながら日本語を学ぶジェニファーさん(28)は、今回批准されなくても、日本行きを待つという。「日本にいるたくさんのお年寄りたちを手伝ってあげたい。近いし、欧米人に比べ体が重くないのも助かるから」と話した。 (2007/12/04) +font> |