成長妨げない側彎症手術
早期発見・治療が重要
グローイングロッド法 


  背骨が横方向に異常に曲がってしまう脊柱(せきちゅう)側彎(そくわん)症は、小中学生の女子に見つかることが多い。治療がいらない軽症例が多いが、重い場合は進行を止めるため、金属棒を入れた背骨の固定手術が必要になる。この治療法には背骨の成長を止めてしまう問題があったが、棒を定期的に伸ばし、成長を妨げないグローイングロッド法が開発され、注目を集めている。

集団検診で発見

 側彎症は先天性や病気によるものもあるが、多くは原因が分からない特発性。自覚症状がないため、背骨がかなり曲がっていても気が付かず、学校の集団検診で指摘されることが多い。
 東京都済生会中央病院整形外科常勤顧問の鈴木信正医師によると、進行する可能性や治療の必要性は、発見時の年齢や背骨の曲がり具合などで決まる。
 曲がりが小さい場合は進行しないことが多く、健康上の問題もない。だが曲がりが大きくなると、外見が気になったり、将来腰痛を起こしやすくなったりする。幼時から大きく曲がっているほど重症化しやすく、胸郭が変形して肺機能障害を起こし、寿命に影響することもあるという。

重度には手術

 例えば15歳未満で曲がりが25度以下の場合、進行することは少なく「治療せず、定期的に受診し経過をみるだけでいい」と鈴木医師。
 曲がりが30度を超えると、症状が進む確率は75%以上になり、外から背骨を矯正する装具が必要となる。骨の成長が止まるまで、入浴時などを除き長時間付け続けなければならないが、進行はかなり防げる。
 しかし、成長期に45度を超えていると装具では防げない。大人になっても進行が止まらないこともあり、肺や心臓への影響が出ないよう手術が必要になるという。
 通常は金属棒を背骨の脇に入れて曲がりを矯正。腰などから採取した骨を砕いて背骨のすき間に移植し、曲がった部分を固めて再び曲がらないようにする。背骨の成長がほぼ終わっていれば、手術で背骨を固めても大きな問題はない。

半年ごとに延長

 重症化が予想される場合は幼い時期に手術しなければならないこともあり、側彎の進行防止と引き換えに、背骨の伸びを妨げてしまうことがあった。骨を固めない手術も試みられたが、背骨がねじれてしまうなどの欠点が残っていた。
 このような問題に対応するため2000年ごろから国内でも行われるようになったのが、グローイングロッド法だ。
 金属棒の接続部をずらすことで長さを変えられるのが特徴。背骨の左右に1本ずつ入れ、曲がった部分を上下から引っ張るようにして固定する。背骨の成長に伴い6カ月ごとに手術をして、少しずつ金属棒の長さを伸ばしていく。
 最初の手術後だけ体操を控える必要があるものの、その後は普通に運動できる。背骨の成長が終わった段階で、従来の手術と同じように背骨を固める手術を行う。
 「側彎症の治療で問題なのは、整体などの民間療法に頼り、治療が遅れてしまう子供が多いことだ」と鈴木医師。「医学的に治療効果が証明されているのは装具と手術だけ。進行しないうちに早めに専門医を受診してほしい」と話している。





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