『小児アレルギー性鼻炎-1』

 幼児にも増える鼻炎 
工藤典代・千葉県立衛生短大教授

 子供のアレルギー性鼻炎が低年齢化し、しかも増えているという。放置すると生活の質を落とすだけでなく、成長発達への影響も心配される。今春まで、千葉県 こども病院の耳鼻咽喉(いんこう)科部長として治療に当たってきた工藤典代・千葉県立衛生短大教授に聞いた。




 ―子供の鼻炎の状況は、今と昔では異なるのでしょうか。

 「昔の子供に多かったのは鼻副鼻腔(びくう)炎です。当時は蓄膿(ちくのう)症と言っていましたが、感染による鼻炎です。大人は副鼻腔だけですが、子供は 鼻腔と副鼻腔が一緒に炎症を起こしてしまう。栄養状態と衛生状態が悪かったため、感染を起こしやすく、治りにくかった。鼻をたらしている子供が多かったで しょう」

 ―今は?

 「鼻副鼻 腔炎の子供は今もいますが、アレルギー性鼻炎の子供が増えて、しかも低年齢化しています。昔は子供にはアレルギー性鼻炎はいないとされていましたが、そん なことはありません。そして両方の鼻炎をともに起こしている子が多い。ベースにアレルギーがあって、感染も起こしているのです」

―治療現場での状況はどうですか。


  「こども病院が開設された1988年から、県内全域から集まる子供を診てきました。最初は1、2歳の患者は見なかったですが、今はどう見てもアレルギー性鼻炎だ、花粉症だという子がいます。3歳児なら珍しくありません。気になりだしたのは、この5年です」


―昔は本当にいなかったのでしょうか。


 「子供の症状が注目されなかったためではないでしょうか。専門医は大学病院で大人を診ていた。それに子供が耳鼻科にかかるのは就学後。それまでは『鼻風邪でしょう』などと診断されていたのでは」

 

 


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