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がん薬物療法の計画書 種類や量、日数を明記 |
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がんの薬物療法を安全に行うのに役立つ「レジメン」。投与する薬の種類や量、方法などを時系列で細かく示した治療計画書だ。過剰投与や重複投与による医療事故を防ぐだけでなく、治療の標準化や院内業務の効率化にもつながるが、まだ十分に活用されていないのが現状という。
▽複雑化でミス
次々に登場する新薬によって薬物療法は進歩する半面、複雑化した。 例えば、転移した進行大腸がんに対する「FOLFOX(フォルフォックス)4」療法では、2種類の抗がん剤に加え、抗がん剤の効き目を増強する薬、制吐剤、輸液を併用。どの薬を、どれだけの量、どういう方法や順番で投与し、何日間投与を休むかが、厳密に設定されている。 また同じ抗がん剤でも、がんの種類によって投与の量、回数、間隔が違うこともある。 こうした複雑さが「医療事故の原因の1つになっている」と国立がんセンター中央病院 の加藤裕久・副薬剤部長は言う。 さらに入院して受けることが多かった抗がん剤投与が、通院しながらへと比重を移しつつあり「外来通院治療センターには、さまざまな診療科の患者が次々に来る」(加藤副部長)ことがミスの一因になりかねない。 ▽適正使用
そこで注目されているのがレジメンだ。抗がん剤の投与計画を示す臨床試験の「プロトコール」と違い、制吐剤や輸液も含めた全体計画書と言える。中央病院では次のように運用している。医師がコンピューターで、登録されたレジメンから1つを選択。すると、画面右に細かい投薬スケジュール、下には患者の身長、体重から自動的に算出された投与の標準量と上限量が表示される。レジメンにない抗がん剤や上限を超える量は入力できない。 患者に合った計画ができると、薬剤師が監査して調製し、医師か看護師が患者に投与する。この基本が守られていれば、投薬ミスが避けられ、強い効果と副作用を併せ持つ抗がん剤の適正使用にもつながる。 レジメンの登録や変更は、申請する医師と診療科の責任者の連名で申請する。薬剤部が中心となった小委員会事務局が、投与量、科学的根拠など32項目にわたって確認。審査は厳しく、2006年度は107件の申請に対し、86件の記載不備が指摘された。 「申請レジメンが跡形もなくなる」(加藤副部長)ほど修正しなければならないこともある。さらに各診療科の医長らのチェックを経て、申請から約2週間で承認、登録される。 ▽飲み薬でも
使用されなくなったレジメンを整理するなど随時見直しており、現在は310種類。対象は注射液の抗がん剤を使う場合に限っているが、飲み薬にも広げる予定という。薬剤部独自の工夫もしている。欧米より多い制吐剤の用量の適正化を目指し、薬剤師主導で臨床試験を実施。さらに、9月からは5診療科で薬剤師がレジメンを作る試みを始めた。 ほかの病院に役立つようレジメンを公開してはどうかという意見もあるが、レジメンができた根拠を知らずにまねるだけでは逆効果になりかねないので、慎重に検討している。 「抗がん剤を扱う病院はレジメンの登録、管理を行うべきだ」と加藤副部長。しかし、全国286のがん診療連携拠点病院でも、レジメンを完ぺきに登録している病院は多くないといい、加藤副部長は「医師の協力が欠かせない。まずすべてのレジメンを出してもらうことから始める」ようアドバイスしている。(共同通信 影井広美)(2007/10/30) +font> |