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子どもとの触れ合いが活力 乗り越えた「余命1年」 |
「家にいれば、毎日、子どもたちの顔をみて、触れ合える。元気をもらって生きる活力になっています」。栃木県小山市の吉村千文さん(53)は装着した人工呼吸器のマスクを通して、少しこもった声で話した。
肺の組織の大半が破壊された重い疾患で、自力ではほとんど呼吸ができない。昨年4月の段階で「もってあと1年」と言われたが、在宅でのNIPPV(マスク式陽圧人工呼吸器)療法で安定した状態が続いている。喫煙に加え、釣りざお製造で長年にわたりグラスファイバーの研磨作業に当たった影響とみられている。7年前から「胸が苦しい」と感じるようになったが、当時受診した病院で「もう治らない病気」と言われたため、そのままにしていたことが重症化につながった。 昨年4月、近くの病院に1カ月入院。退院後は酸素を24時間吸入する在宅酸素療法を続けたが、徐々に悪化し、年末には大型の酸素ボンベがいくつあっても追いつかない状態になった。 この時点で病院から紹介されたのが、地域で在宅医療に取り組む「おやま城北クリニック」。そこで機械の力で呼吸をサポートする人工呼吸療法の一つであるNIPPV療法を勧められた。 一般的な人工呼吸器は気管を切開してのどに装着するため、自分の声も失うことになる。これに比べて、NIPPVは気管切開をしないで使えるので、患者にやさしい療法として、最近、注目されている。 担当の冨山宗徳医師(33)は「家族との会話を重視する吉村さんの希望や日常生活を少しでも豊かにするには、これが最適だと考えた」と話す。 「いい医師と出会えた」と吉村さん。以前は「酸素ボンベが何本あるかということから1日が始まっていた。在庫がないともうパニック」だったが、その不安からも解消された。食欲もでてきて38キロまで落ち込んでいた体重も5キロ増えた。悩まされた頭痛もなくなった。 中学1年の長男(13)ら3人の子どもはまだ小さい。「わいわいと楽しい。苦しくて病院のほうがよかったかなと思った時もあったが、持ち直すと、やっぱりみんなに囲まれているのがいい。子どもたちに最期までみせたいなと」。家族で来年の花見を待ち望んでいる。 (2007/10/30) +font> |