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短期間で合併症も |
風邪のような症状や嘔吐(おうと)、腹痛などの後、インスリンを出す膵臓(すいぞう)の細胞が破壊されて急激に悪化し、治療を受けなければ死亡する「劇症1型糖尿病」。2000年に日本の医師が専門誌に発表したこの病気は、合併症が短期間で出る可能性が高いことが分かってきた。だが、一般の医師に病気があまり知られておらず、依然として見逃されるケースがあるという。
「全身がだるい」と訴える男性に、診察した開業医は精神安定剤を処方した。だが、男性は改善せず翌日、心肺停止に。命は取り留めたものの、血糖値が非常に高いことが分かり、劇症1型糖尿病と診断された。「最初にちゃんと問診すれば、のどが渇いて大量の水分を取るなど糖尿病の兆候が分かり、血糖値を調べれば診断できたはずだ」。花房俊昭大阪医大教授(内科)は指摘する。原因不明で死亡した後に、解剖で高い血糖値が判明、この病気と考えられた人もいたという。 花房教授らは、1型糖尿病の中に数日で悪化する劇症タイプを見つけ発表。日本糖尿病学会は04年に、可能性がある患者と判断するスクリーニング基準と病名を確定する診断基準を、それぞれ定めた。糖尿病の0.4%、数千人の患者がいるのではないかという。
その後の研究で、神経障害、網膜症、腎症などの合併症が5年以内に起きる人は、通常の1型糖尿病では5%未満なのに対し、劇症型では25%に達することが判明した。生活習慣病とされる2型糖尿病では、合併症は10―20年後に起きるのに比べると、非常に早い。劇症型では、特定の白血球の型の人が多いことも分かってきた。 花房教授は、何らかのウイルスが膵臓の細胞に感染し、自分の免疫細胞がウイルスだけでなく膵臓の細胞を壊す過剰反応が原因と推定する。ウイルス感染や膵臓の炎症によって風邪症状や腹痛などが起きるとみられる。 ただ予防は難しい。「診断さえつけば、脱水状態の改善とインスリン投与で治療できる。できるだけ早く見つけることが重要で、医師の責任は重い」と花房教授は強調する。一般の人は、1晩に数リットル以上の水分を取るような異常なのどの渇きがあれば、医師の診断を受けるべきだという。(2007/10/16) +font> |