不活化切り替えはいつ?
ポリオワクチン
   生まれて間もない赤ちゃんが飲むポリオのワクチン。ウイルスを弱毒化した生ワクチンだが、これを不活化ワクチンに切り替えることを、厚生労働省の小委員会が2003年に打ち出した。しかし、3種混合ワクチンにポリオを加えた4種混合の臨床試験は、昨年ようやく始まったばかりで、実用化は数年先になりそうだ。

▽ウイルスが入った場合に備え
 かつて世界中で多くの死者を出したポリオは、ワクチンで大幅に減少。日本は1980年を最後に自然界の「野生株」の患者はゼロになった。世界保健機関(WHO)は天然痘に続きポリオの根絶を目指しているが、ナイジェリアなどが流行地域として残る。
 「日本のように長く患者が出ていなくても、海外からウイルスが入った場合に備え、予防接種を続ける必要がある」と国立感染症研究所 の岡部信彦感染症情報センター長。
 ただ、生ワクチンでは数百万回に1回、ワクチンに使ったウイルスによるまひが起きる可能性がある。厚生労働省によると、予防接種による健康被害の救済制度で年に2人程度が認定されている。海外では、ワクチンの弱毒ウイルスが感染を続けるうちに、毒性を取り戻した例もある。
 このため、多くの先進国はホルマリンでウイルスの感染性をなくした不活化ワクチンを採用。日本でも、生ワクチンを製造している日本ポリオ研究所(東京都東村山市) が不活化ワクチンを開発した。
 同研究所の清水文七理事長は「生ワクチンの種ウイルスは厳重な管理が必要で、不活化ワクチンはそういう面でも利点がある」と強調する。海外の不活化ワクチンが野生株を使っているのに対し、同研究所のは生ワクチンの弱毒株で、さらに危険性が低いという。
 
▽4種混合で
 不活化ワクチンは注射で投与する。同研究所は当初、ほかのワクチンとの混合ではなく単独ワクチンを目指した。だが、乳幼児期はさまざまな予防接種が必要なことから、厚労省小委員会の議論を受け、4種混合に切り替えた。清水理事長は「接種率を下げないのが一番大切。受けやすいようにすべきだ」と話す。
 同研究所は、3種混合ワクチンのメーカーにポリオの不活化ワクチンを提供。そのうちの一つ、阪大微生物病研究会は4種混合ワクチンの臨床試験を昨年始めた。第1相を終え、段階的に次へと進める予定だという。(2007/9/18)

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