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顕微鏡の視野に投影 ガンマナイフの技術応用 |
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放射線治療装置ガンマナイフの技術を応用し、脳腫瘍(しゅよう)の3次元画像を作成、手術用顕微鏡の視野に見えるようにすることで病巣摘出手術を安全に行う手法を、三愛病院(さいたま市)と東京女子医大などのグループが開発した。腫瘍に隠れた神経や血管の位置が、手術中でも正確、簡単に分かり、手術時間も従来より短くできるという。
▽安全に長所生かす
ガンマナイフは、201個のコバルト小線源を半球状に設置し、ガンマ線を1点に集中させて病巣を破壊する装置。ガンマ線が透過する細胞や病巣周辺の正常組織への悪影響が少ないのが特長で、国内には1990年に導入され、現在は約50施設で稼働している。「腫瘍が直径3センチ以下ならガンマナイフで治療できるが、それより大きかったり脳幹部に近かったりすると、手術で取るしかない」と、三愛病院脳神経外科の小原琢磨部長は説明する。 だが、腫瘍に埋まった神経、血管を傷付けないように手術するのは難しく、手術後のガンマナイフ治療を想定せずに取れるだけ取ることが多いのが実情だ。 いかに安全に、そしてガンマナイフの長所を生かせる手術を行うか―。4500例以上のガンマナイフ治療に当たってきた東京女子医大病院脳神経外科の林基弘講師の提案で、ガンマナイフで対処できる部分をまず決め、手術で取る部分や残す部分、神経や血管を色分けした3次元画像を作り、それに従って手術することにした。 ▽直径7センチ
3次元画像は、磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を0.5ミリの厚さに輪切りにした格好の百数十枚の画像が基になる。ガンマナイフ治療の計画を立てるのに使う専用ソフト「ガンマプラン」で、腫瘍をさまざまな角度から見た3次元画像を70―80枚作る。8月半ば、良性腫瘍である髄膜腫の70代女性の手術が三愛病院で行われた。目の奥に当たる部分にできた腫瘍は、直径が最大約7センチあり、このままでは視神経を圧迫して失明する恐れが強い。 小原部長と助手を務める医師が、手術用顕微鏡をのぞきながら、超音波で腫瘍を少しずつ崩しながら吸引する。時々、3次元画像を顕微鏡の画面に映し出し、腫瘍に隠れて見えない神経や血管の位置を確認、再び病巣に挑む。 3次元画像で計画を立てた手術は、昨年10月から今年6月までに8例行っている。しかし、医療機器メーカーのカールツァイス・メディテック(東京都)に依頼、手術中に顕微鏡の画面に出し計画通りに進んでいるかどうかを確認できるようにした手術は、前日に続きこの日が2例目だ。 ▽連動が課題
どの部位の切除を進めているかを示すナビゲーションシステムも併用しながら手術は進み、腫瘍の95%を切除して約6時間半で無事に終了した。「3次元画像の切り替えは手元のスイッチででき、顕微鏡から目を離さずに神経や血管を確認できる。この手法でなければ10―15時間はかかっていた」と小原部長。神経が落ち着くのを待って、数カ月にガンマナイフ治療を行う予定だ。 小原部長は「この手法の最終形」に向けた課題を2つ挙げる。 1つは、顕微鏡の角度を変えたら、それに連動して3次元画像が動くようにすること。また、手術の難易度を左右する、腫瘍の大きさ、場所、硬さ、出血の程度の四要素のうち「実際に手術しないと分からない硬さが、画像として表示されるようになれば」と期待している。(共同通信 影井広美)(2007/9/11) +font> |