血液製剤の使いすぎ是正
救急で約7割削減の施設も
 事故や大手術、重い急性肝不全などに不可欠な輸血に際し、日本の医療機関は血液製剤を使い過ぎるとされてきた。このため、厚生労働省などは使用量削減を進めてき たが、外科や救急医療などは依然として使用量が多い。
▽実際の3.5倍も注文
 しかし、川口市立医療センター(埼玉県川口市)の救命救急センターは、使用する患者の容体の基準などを見直し、血液製剤の一つである新鮮凍結血しょうでは、使用量を3分の1に減らすなどの実績を示している。
 血液製剤は赤血球濃厚液や新鮮凍結血しょう、濃厚血小板などがあり、献血などで得られた貴重な血液からつくられる。
 同センターが取り組みを始めたのは1997年から。前年の96年に行った調査で、病院全体の使用量のうち救命救急センターだけで、赤血球濃厚液は41%、新鮮凍結血しょうは69%を使っていることが分かったためだ。
 「たくさんの血液を確保しておいてから、安心して使うという傾向があった」と、小関一英救命救急センター長。統計を取ると、実際の使用量の3・5倍も注文していたという。
▽使用する患者も減少
 そこで重傷の患者の場合を中心に、輸血を始める目安として、血液中の赤血球の量などを、厳しくするように基準を変えた。どんなに緊急の場合でも、長期的な経過を考えて、血液型の適合した血液を用いるようにした。
 また血液の凝固機能の状況を必要に応じて検査し「念のために多めに使う」という状態を避けるため、検査部門が夜間や休日も24時間対応を始めた。
 その結果、赤血球濃厚液の使用量は以前の69%に、新鮮凍結血しょうは35%にまで減り、使用する患者の数自体も減った。一方、凝固機能が短時間で戻らないなどの傾向はあったが、死亡率、合併症の発生率などに変化はないという。
 小関センター長は「適正な使い方をすれば、使用量の大幅削減は可能だ」と話す。
 99年に厚生省(当時)は、血液製剤の適正な使用を求める指針を出した。今年5月に開かれた日本輸血学会では、凝固機能の改善以外で、例えば循環する血しょう量の維持だけが目的などの、適用外使用を減らす各地の取り組みの例が報告された。一方で「救急の多発外傷では必要な輸血量の予測が困難なため、多めに頼むケースが依然として多い」とする例もあった。



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