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視力障害や感覚障害、歩行障害など、さまざまな神経症状が出る多発性硬化症(MS)。根本的な治療法は発見されておらず、厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されているが、医療の進歩でコントロール可能になりつつあるという。症状や治療について、順天堂大医学部脳神経内科の横山和正講師に聞いた。
―難しい病名ですね。
「大脳、小脳、脳幹、脊髄(せきずい)を中枢神経と言いますが、さまざまな部位、異なる時期に炎症による中枢神経の損傷が多発し、病変を触ると硬いことから命名されました。病原体から体を守るリンパ球などの免疫細胞が、本来は反応しないはずの自分自身の細胞に対して、何らかのきっかけで暴走し傷つける自己免疫疾患です」
―症状は。
「日本人を含む黄色人種に多いのは、視神経と脊髄の損傷。視力低下や、手足のしびれ、突っ張り感、尿が出にくくなったり漏れたりすることもあります。ほかにも疲れやすい、倦怠(けんたい)感など多様です。脳血管障害と異なり初期には完全に元に戻るのですが、損傷がひどい場合や再発を繰り返すと、失明や車いすの生活を余儀なくされることもあります」
―患者は多いのですか。
「国内に約1万2000人と推定されます。20代から40代で発症することが多く、女性の罹患(りかん)率は男性の3倍。緯度が高いほど患者が多い傾向があります。欧米の白人では10万人当たり50~150人で、親類や近所の働き盛りの人が発病するというのが、ありふれた事象となっています。日本でも放映された米国のテレビドラマ『ザ・ホワイトハウス』では、主人公の大統領がMSになったという設定で、病気に前向きに立ち向かう姿が感動的でした」(続く)(2007/8/13)
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