『海・山での応急手当てー5』


 出発前に病院調べて
二宮宣文日本医大准教授

 
 海や山に行く機会が増えるシーズンになった。心身をリフレッシュできる半面、思わぬ危険が待ち受けているかもしれない。いざというときの応急手当てについて、日本医大多摩永山病院(東京都多摩市)の二宮宣文救命救急センター長(准教授)に聞いた。

  ―ハチ刺されも怖いですね。
 「ハチ毒に含まれるヒスタミンやヒアルロニダーゼなどが、痛みや腫れ、溶血(赤血球の損傷)を引き起こします。スズメバチに全身を刺されたというのでもなければ、痛みや腫れは、それほど心配することはありません。怖いのは、呼吸停止や血圧低下を起こすアナフィラキシーショック。最初に刺されたときに体内に毒に対する抗体ができることによって、次に刺されたときに起きる全身性の急激なアレルギー反応です」

 ―死亡例もあります。
 「年間30人前後がハチ刺されで亡くなっており、多くはアナフィラキシーショックが原因とみられます。ショック症状を和らげるエピネフリンという抗アレルギー薬を、数年前から自分で注射できるようになりました。医師の処方が必要なので、以前刺されたことがあったり、ハチのいるところで作業したりする人は、医師に相談してください」

 ―ヘビやクラゲは。
 「ハブやマムシにかまれたら、毒を吸い出すことが必要ですが、なかなか難しい。すぐに病院に行って、ヘビの毒素を中和する血清を注射するしかありません。クラゲは、患部を冷やして痛みを抑え、抗炎症薬を塗るなどの処置を行います」

 ―最後に全般的な注意を。
 「行楽地では近くに医療機関のない場合もあります。観光名所だけでなく、救急病院や休日も開いている病院の所在地、連絡先を事前に調べておいた方がいいでしょう。特に海外では、国立病院でもレベルの低いところがあります。また健康保険が効かず医療費がかさむので、旅行保険の加入は必要です。国内旅行でも、健康保険証を持っていくのを忘れないようにしましょう」(完) (2007/8/7)


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