「健康食品も臨床試験を」
がん代替医療でシンポ
 がん患者らが用いる健康食品などの「補完代替医療」の安全性や有効性をどう確保すればいいのかを考えるシンポジウムが7月、東京都内で開かれた。医薬品並みに臨床試験を実施すべきだという意見や、健康食品の素材を医薬品として認めようという米国の試みが紹介された。
 厚生労働省の研究班が2002年にまとめた約3千人の全国調査では、がん患者の約45%が代替医療を利用し、種類は健康食品・サプリメントが約96%と最多だった。主治医に相談せずに使った人が半数を超えた一方、約7割が「効果は分からない」と答えた。

▽害になる可能性も
 こうしたデータを示した上で四国がんセンターの住吉義光病棟部長は「サプリメントなどの安全性や効果は、試験管内や動物実験での結果は当てにならない。健康のために使うものが害になる危険性もある。抗がん剤と同じように人での臨床試験が必要」と医学的証拠に基づく対応を求めた。
 代替医療先進国の米国からは、国立がん研究所(NCI)がん予防部のイゼット・キャペタノビック博士が来日し、NCIの「ラピッドプログラム」を紹介。アガリクスや緑茶、大豆などからの抽出物や化学合成した物質の毒性、効能を動物実験や臨床試験で検証し「植物性医薬品」などとして、がん予防の薬剤開発につなげようというもので、2000年から始まった。
 キャペタノビック博士は「医薬品として認められれば医師は処方しやすいし、患者は使いやすくなる。医療費の削減もできる」と解説した。

▽大きく遅れる日本
  こうした米国の取り組みに比べ、日本はがんの代替医療研究などで大きく遅れているとの意見や、「(一部を除き)一般に言う健康食品には基準がないのが現状で、野放しになっていると思う」(大野智金沢大准教授)といった声も出た。
 健康食品などを利用する際には、どのような点に注意すればいいのか。住吉部長は、摂食量に気を付けることや、薬剤などとの相互作用の恐れもあるため主治医と十分相談することを挙げた。
 日本補完代替医療学会理事長の鈴木信孝金沢大教授は「メーカーは自社の製品が安全かどうか、まず確かめてほしい」と呼び掛けた上で「がん治療につながるような天然物の開発に、国はもっと費用を出してほしい」と訴えた。 (2007/7/31)

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