『海・山での応急手当てー1』


 清潔な水を忘れずに
二宮宣文日本医大准教授

 
 海や山に行く機会が増えるシーズンになった。心身をリフレッシュできる半面、思わぬ危険が待ち受けているかもしれない。いざというときの応急手当てについて、日本医大多摩永山病院(東京都多摩市)の二宮宣文救命救急センター長(准教授)に聞いた。

    ―けがと言えば切り傷を思い浮かべます。
 「海では、岩場を素足で歩いてけがをするケースが多くみられます。貝殻で切った傷は深くなりがちなうえ、海水には雑菌がいっぱいいるので、きれいな水で十分に洗って医者に見せてください。縫合が必要なほど深い傷は特に早めに。縫合できるのは、けがをして数時間から半日以内です」

 ―出血したら。
 「きれいなガーゼやタオルで傷口を圧迫していれば、通常なら10分から15分で止まります。血が噴き出るほど深く腕や脚の動脈を切ってしまった場合は、心臓に近い部分を縛りますが、1時間程度で1度緩める必要があります」

 ―すり傷は。
 「多少痛いかもしれませんが、傷口についた砂や泥などを水で洗い落として消毒します。残っていると化膿(かのう)する恐れがあるからです。消毒液は傷口周辺の粘膜や組織を壊すことがあるので使わない方がいいという説もありますが、わたしは化膿防止のためにつける方がいいと考えます」

 ―バーベキューでやけどすることもあります。
 「冷たい流水で30分は冷やします。冷やし過ぎも皮膚や皮下組織に良くないので、氷は布などにくるんで当てて。切り傷、すり傷、やけどと、手当てには清潔な水が欠かせないので、未開封のペットボトルの水を持っていくようにしてください。夏は汗をかいて傷口が化膿しやすいので、軽くても医療機関に行くことです」(続) (2007/7/10)


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