お産の満足、意思疎通が鍵
厚労省研究班が指針
 「いいお産ができた」と満足するかどうかを左右する重要な要素は、出産施設側との密接な意思疎通―。厚生労働省研究班が出産した女性への調査を基に、施設向けの指針を作った。
 満足と答えた人は80%で、1999年調査の84%から減少しており、主任研究者の島田三恵子大阪大 教授(母子保健学)は「施設側が改善に役立てるだけでなく、これから出産する女性が施設を選ぶ際の参考になれば」と話している。

▽1万人にアンケート
 研究班は2005年9―12月に、大学病院、一般病院、診療所、助産所の計570施設で出産した約1万人にアンケートし、454施設の3852人が回答。正常もしくは危険性の低い妊娠・出産で、施設側のどんな対応が、出産に関する満足度や「また同じ施設で産みたい」という感想につながっているかを分析した。
 満足度が高かったのは、妊娠中は「悩みや疑問に誠意をもって答えてくれた」ことや「何でも話せる雰囲気がある」「心身の状態が自分で理解できる」ことで、出産時では「自分が尊重されたと感じる」「十分な経過説明がある」などだった。  妊娠から産後まで同じ助産師が担当したり、出産直後に母子が接触し同じ部屋で過ごしたりするのも、重要なプラス要因だった。
 意外なことに、多くのマタニティークリニックが力を入れている部屋や食事、設備の充実ぶりは、満足度とほとんど関係がなかった。

▽満足度は助産所
  これらの結果から研究班は指針で、最も重要なのは「施設側とのコミュニケーション」と指摘した。一方で、島田教授は「満足度の高い項目の多くは、施設にマンパワーがないとできない。産科医が減っている現状では、ますます実現が困難になるのではないか」と懸念している。
 施設別では、満足と答えた人の割合が最も高かったのは助産所の94%で、次いで診療所83%、一般病院77%、大学病院76%だった。大学病院は医学的な理由でやむを得ず利用するケースが多いため、もともと満足度で不利な面もある。
 島田教授は「いろいろわがままが言える助産所に人気が集まるのは、理解できる。問題は安全性で、大学病院などとの連携は欠かさないようにしてほしい」と注文を付けている。(2007/7/10)

トップページへ戻る

記事、写真、グラフィックスの無断転載を禁じます。
2003 Kyodo News (c) Established 1945 All Rights Reserved