子宮頸がんのウイルス判別
東芝などがDNAチップ
 若い女性に増えつつある子宮頸(けい)がん。その原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を調べるDNAチップを、第一化学薬品東芝 (いずれも東京)、東芝ホクト電子(北海道旭川市)が開発した。
 電流でウイルスのDNAを調べる新方式で、ウイルスの型も判別できるのが特長という。第一化学薬品は5月末にチップの製造販売の承認申請を行った。承認には1年はかかる見通し。

▽性交渉などで感染
 子宮がんには、子宮本体の内膜にできる子宮体がんと、入り口付近の子宮頸がんがある。子宮体がんが閉経後の女性に多いのに対し、性交渉などで感染するHPVが原因の子宮頸がんは30―40代に目立ち、20―30代の発症が増加。感染しても多くの人では2、3年以内にウイルスが体内から消えるが、感染が長引くと10―15年でがん化するため、定期的な検査が重要となる。
 DNAチップは、さまざまな塩基配列のDNA断片(プローブ)が基板に固定してあり、調べたいDNAがプローブに結合して2本鎖となれば、そのDNAの正体が分かる仕組みだ。
 従来のチップは、調べたいDNAに蛍光標識を付け、2本鎖を光学的に検出していた。一方、東芝は2本鎖に結合し電気をよく通す特殊な薬剤を使い、電流で高精度に検出する方式を採用した。
 子宮頸部の細胞からDNAを抽出し、チップにたらして検出装置にかければ、約15分で結果が出る。「蛍光方式に比べ、検出装置が小型化でき、検査時間も検体の事前処理を含め2―3時間短い75分で済む」(東芝)としている。

▽発症の危険高い13の型
  HPVの100以上ある型のうち、子宮頸がん発症の危険が高いのは13の型。このチップはそれらを一度に判別できる。第一化学薬品の佐藤宰グループ長は「HPVの型まで分かる医療機関向けチップの量産は世界で初めてだろう」と言う。
 HPVを薬で除去するのは難しい。しかし、定期的に検査してウイルスによって起きる細胞の変化をとらえ、前がん病変や早期がんのうちに対処すれば完治も可能で、HPV検査の重要性が指摘されている。感染を防ぐワクチンも海外では承認され、日本では昨年から治験(臨床試験)が進められている。 (2007/7/3)

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