公的検診にHPV検査
金沢市が5月にスタート

 検診による早期発見、早期治療で100%治癒が可能な子宮頚(けい)がん。最近は子宮頚がんの発生に密接に関与しているヒトパピローマウイルス(HPV)の特定タイプを検出して、検診の精度をさらに上げようという動きも出てきた。
 金沢市では、この5月から全国に先駆け、年1回の子宮頚がん検診時、希望者にHPV検査を実施している。公的検診にHPV検査を取り入れたのは初めて。
 HPV検査の導入は、同市医師会(前川信政会長)が金沢大医学部産婦人科教室(井上正樹教授)の協力を得て、金沢市に働きかけて実現した。
 「住民のために、新しい検査を取り入れて、がん検診をより精度の高いものにしたかった」と前川会長。

▽灰色のケースに
 子宮頚がん検診は、金沢市では30-60歳の女性が対象。市が医師会に委託する形で、市内の35カ所の産婦人科医のところで個別検診を行う。自己負担金は1000円。
 検診では子宮頚部の観察とともに、周囲をブラシでぬぐって粘膜細胞を採取。顕微鏡で細胞の形状を調べる(細胞診)。
 この際、HPV検査希望者からは同意を得た上で、細胞に感染しているHPV遺伝子を調べる。  細胞診で、細胞の核が異常な形をしている細胞を「異形成」と呼び、異形成は、HPV感染がほぼ100%関係していることが分かっている。
 同医師会の検診担当理事で、金沢医療センター産婦人科の丹後正紘医長は「同意があっても、細胞診で、がんだったり、前がん病変と分かった人にHPV検査はしない。細胞診で判断がつかない灰色のケース、つまり異形成が見つかったときに実施し、判定に役立てるのが目的」と説明する。
 HPVは100種類ほどのタイプがあり、中でも16型や18型などが子宮頚がんの原因ではないかとされており、「これらを含む高危険群が検出されれば、個々の産婦人科医から〝精密検査を受けてください〟と伝えられることになる」(同医長)。
 
▽100種類ほどののタイプ
 HPVは2年で半分が自然に消えることが分かっているので、実際には半年から1年に1度、継続して検査し、経過観察していくことになるという。
 一方、まだ不明な点も多いが、HPVは性感染症という側面もあり、感染が分かった場合、医師からの丁寧な説明が不可欠だ。
 前川会長は「子宮頚がんを減らすため、HPVのことを知ってもらうことが一番大事。ただ性感染症ということで、変な誤解を持たれると困る。慎重な広報が必要と思っている」と話している。

ヘッドラインへ戻る

記事、写真、グラフィックスの無断転載を禁じます。
2004 Kyodo News (c) Established 1945 All Rights Reserved