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肝炎ウイルス検診5年 認識、診療まだ不十分 |
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肝硬変や肝がんの原因となるC型肝炎ウイルスの検査を、40歳から5歳刻みの年齢の人を中心に行ってきた国の事業(5年間)が2006年度で一段落した。07年度は40歳の人と、この5年間に受けなかった人に実施されるが、専門医とかかりつけ医との連携や治療が十分でないなどの問題点が、武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)
の泉並木消化器科部長の調査で浮かび上がった。 ▽少ない自覚症状 調べたのは、武蔵野市と、隣接する三鷹市で、人口は計約30万人。5年間で3万数千人が検診を受け330人に感染が見つかった。内訳は、症状が出ていない無症候性キャリアーが45%、慢性肝炎が43%などで、肝硬変や肝がんに進行していた人も8%いた。泉部長は「自覚症状が少なく気付きにくいから」と分析する。 また肝炎、肝硬変、肝がんの計128人のうち、ウイルス駆除が期待できるインターフェロン治療を受けたのは21%だった。脳梗塞(こうそく)などの合併症があるとインターフェロン治療は難しいが「専門医でないところでインターフェロン以外の治療を受けている人が多いのではないか」と泉部長。 その一因に、医師の不十分な対応があることを裏付ける結果も出ている。かかりつけ医40人のアンケートでは、感染者全員に専門医を紹介すると答えた医師は25%にすぎなかったのだ。 アンケート対象の医師は、地域医師会の症例検討会に参加するなど意識は高いとみられるが、泉部長は「肝炎ウイルスやインターフェロン治療への認識は、患者も医師も十分でない」と言う。 ▽保健師がフォロー
厚生労働省は1月、都道府県向けのガイドラインで、要診療とされた人に医師、保健師が病気の説明や受診勧奨を行うことなどを求めた。これを先取りし「最も対策が進んだ県の一つ」と泉部長が言うのが岩手県だ。岩手医大 の鈴木一幸教授(消化器内科)は、他県にない特徴として、岩手県予防医学協会 が検体を一括して検査していることを挙げる。「検査の精度管理がしっかりしているうえ、感染者が診療を受けているか追跡調査も行っている」 同県では、1982年からB型肝炎ウイルスの母子感染対策を進めており、保健所や医療機関の連携がスムーズだったのも大きな要因だ。 同協会県南センターの小山富子次長によると、市町村の健診の場合、感染が分かった人には市町村保健師が説明と受診勧奨を行う。「検査で陽性と言われても、意味が分からない方もいるから」。感染者は協会からのはがきを持って医療機関を受診し、医療機関ははがきを協会に返送。3カ月たっても返送されなければ保健師が再度受診を勧め、さらに1年ごとに追跡調査するなどフォローアップを続ける。 ▽病病診の連携
同県では40―74歳の人口の約30%に当たる約23万人が検診を受けた。職場で健康診断を受ける人が多い40代、50代の男性の受診率が低いのが課題で、小山次長は「職域健診や1日人間ドックへの肝炎ウイルス検診の導入が必要」と言う。感染を早く見つけ適切な治療を行えば、肝がんの死亡率低下につながる。このため鈴木教授は「専門医と、患者の日常を知るかかりつけ医の協力が欠かせない」と指摘。 武蔵野赤十字病院も、最新情報を基に治療方針を決める同病院のような急性期病院、入院管理を行う約百床の病院、病状悪化を防ぐ「維持療法」や検診に当たるかかりつけ医(診療所)の「病病診」連携を目指し検討を進めている。(共同通信 影井広美)(2007/6/26)+ font> |