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胃に直接栄養補給 日本で考案のキット発売 |
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腹に小さな穴をあけて細い管(カテーテル)を入れ、体外から胃に直接栄養を補給する「胃ろう」。「おなかの口」とも呼ばれる胃ろうを新方法で作るキットを、オリンパスメディカルシステムズが発売した。日本人医師が考案した「ダイレクト法」を応用し、従来より安全で簡単なのが特長という。 ▽雑菌やがん細胞 胃ろうは、がんや認知症などで食事を食べられなかったり飲み込めなかったりする患者に、栄養を補給する手段の一つ。以前は全身麻酔による外科手術が必要だったが、内視鏡を使って設置できる「経皮内視鏡的胃ろう造設術(PEG)」が1970年代後半に登場、患者の負担は軽くなった。 腹から胃の中へと刺したワイヤを、内視鏡を使って口元まで引き出し、それにカテーテルをつないで腹の側からワイヤを引く。カテーテルは、口側の端に膨らみ(バンパー)があるので、胃壁で停止。後は外に出た余分なカテーテルを切断すれば完成する仕組みだ。 この「プル法」や、カテーテルを口から押し込む「プッシュ法」には、課題がある。「カテーテルを口から入れるので、口の中の雑菌や咽頭(いんとう)部のがん細胞を胃の中にばらまく恐れがある」と、市立吹田市民病院(大阪府)の井上信之内科部長は説明する。 内視鏡も、ワイヤを引き出すときに1回抜き、カテーテルの具合を見るために再び入れる必要がある。 ▽伸ばして細く
そこで日本で開発されたのが、腹に太い針を刺してカテーテルを押し込む「イントロデューサー法」だった。胃側の先端は、バルーン(風船)になっており、挿入後に水を入れて膨らませてバンパーの代わりにする。カテーテルが口を通らないので汚染の恐れは小さく、内視鏡も1回で済む。ただ、バルーンの水は徐々に抜けるため月1回のカテーテル交換が必要で、バンパータイプの4カ月―半年ほどは持たない。 井上部長が2000年に考案したダイレクト法は、イントロデューサー法の改良・発展型だ。 中に棒状の器具を入れ全体を引き伸ばすと、直径約2センチの先端が半分の細さになるカテーテルを使用。胃の中に入ったところで引き伸ばすのを止めると、先端が元通りに膨らんで固定される。バルーンを使わないので交換は半年ごとで済む。 ▽徐々に広がり
これを基にオリンパスは、交換用カテーテルを05年10月から販売。今年5月には、新しく胃ろうを作る器具も含めたキットを発売した。腹に針を2本刺し腹壁と胃壁を固定する器具や、ガイドワイヤに沿ってカテーテルを入れる器具など、さまざまな工夫が加えられている。 吹田市民病院では、これまでにダイレクト法を約280例実施。全国的にはプル、プッシュ法で計7―8割を占めるが、ダイレクト法も広まりつつあるようだ。5月に東京で開かれた日本消化器内視鏡学会のセミナーでオリンパスがアンケートしたところ、参加した約150施設の半数にダイレクト法の実施経験があったという。 井上部長は「キットに関して改良すべき点や不満はない。ただ、胃壁と腹壁を固定するのが難しい患者もいるので、必ずしも固定を必要としないプル法も準備しておき、無理をしないでダイレクト法を使うことが大事だ」と話している。(共同通信 影井広美)(2007/5/29)+ font> |