『色素性乾皮症-2


 運動障害や聴力低下も
林雅晴・東京都神経科学総合研究所研究員

 
 紫外線に当たると皮膚がんになる危険性が極めて高いため、太陽の光を避ける生活を強いられる色素性乾皮症(XP)。この病気の女性を主人公にしたラブストーリー「タイヨウのうた」の映画やドラマでも注目された。病気の実情について東京都神経科学総合研究所の林雅晴・副参事研究員に聞いた。

 ―患者の日常生活を教えてください。
 「皮膚症状は1歳未満から出るので、幼いころから紫外線を厳重に遮らなければなりません。日焼け止めを塗り、晴天のときの外出は避ける。夏でも長袖、長ズボンで過ごし、紫外線を遮断する防護服を着たりもします。このほか、紫外線の計測センサーを常備し、自宅や通園バス、教室の窓に紫外線をカットするフィルムを張るなどの対策が必要になります」

 ―皮膚以外の症状は。
 「日本に多い色素性乾皮症のA群というタイプでは、運動障害や足の変形が5、6歳ごろからみられます。原因は神経障害で、走ったり階段を上ったりできるようになるのがほかの子供より少し遅く、転びやすい。症状は急速に進行し、患者の多くは10―12歳以降は歩いたり立ったりできなくなり、20歳前後で寝たきりになります」

 ―ほかには。
 「聴力の低下が7歳ごろから始まり、13歳前後には難聴に。知的発達の遅れで、思春期を過ぎると意思の疎通が難しくなることもあります。食べ物をかむ、飲む、呼吸が難しくなる、なども加わります」

 ―どんな治療を。
 「足の変形では、整形外科手術をして、歩行困難になるのを数年遅らせようとする試みがあります。車いすを使う患者もいて、難聴には補聴器を使い手話を覚えることもあります。食べられない場合は胃に栄養を直接入れる、呼吸の確保には気管の切開手術をします」

 ―厳しい状況ですね。
 「適切な紫外線遮断処置が取られるようになったため、以前は9割に上った皮膚がんによる死亡は、ほとんどなくなってきました。リハビリテーションや医療技術の進歩で、症状の進行を遅らせて、生存期間を延ばせるようにもなりました」
(続く)(2007/5/22)


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