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健康都市化プロジェクト WHO神戸センターが実施 |
世界人口の半数近い約30億人が、都市部に住んでいるという。雇用、教育、医療などの機会は、一般に地方より恵まれている半面、大気汚染や人口密集など心身にもたらす悪影響も大きい。都市に暮らす人々の健康や生活の改善を目指す「健康都市化プロジェクト」に、神戸市中央区の世界保健機関健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)が取り組んでいる。![]() ▽兵庫県などが誘致 同センターは、フランスのリヨンにある国際がん研究所とともに、世界2カ所のWHO直轄研究所の一つ。阪神大震災後の復興事業として兵庫県や神戸市、地元財界などが誘致し、1996年にオープンした。 昨年、4代目所長に就任した岩尾総一郎氏(前厚生労働省医政局長)によると、今日、最も劣悪な健康状態にあるのは都市部の貧困層で、特に発展途上国で深刻だ。 「都市に暮らす30億人の3分の1はスラム生活と推定され、安全が確保されていない水や、発生すると急速に拡大しかねない感染症などの健康危機にさらされている。都市暮らしは、一部の人には良い健康状態になる機会を得ることになるが、その他の人では負の影響が大きい」 ▽地元の協力得られるかが課題 ![]() 日本のような先進国でも、食生活の変化や運動不足などにより糖尿病、高血圧、がんといった慢性疾患が増え、ストレスの多い都会生活で精神疾患も増加傾向にある。 こうした実態を背景に、神戸センターは2006年、世界の6都市・地域を選び、健康を左右する社会的要因を探って改善する10年間のプロジェクトを始めた。 現地ではまず、何が問題となっているか、どんな人がリスクにさらされやすいかを、地元の研究機関に依頼して分析。その結果を基に、自治体職員や医療・保健関係者、ボランティアらが問題点を改善するのを手伝う。 「WHOが乗り込んですべてをやってしまうのではなく、住民にとって何が必要かを把握できる現地の人の研修や人材育成が主眼です」と岩尾所長。 対象地域は蘇州(中国)、バンガロール(インド)、サンティアゴ(チリ)、アリアナ(チュニジア)、ナクル(ケニア)の5都市に加え、日本からはセンターのある神戸市・兵庫県が選ばれた。 地元の協力がいかに得られるかが最大の課題だが、岩尾所長は「健康づくりに主体的に取り組む都市が手を結んで得られた成果を、世界に広げたい」と話している。 |