『たばこ病-4


 薬とリハビリ
木田厚瑞日本医大教授

 
 息苦しくなり、呼吸不全や寝たきりの原因となる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)。その実態や診療について、日本医大呼吸ケアクリニック(東京都千代田区)所長の木田厚瑞教授に聞いた。

 ―治療法を教えてください。

「薬と、運動などの呼吸リハビリの組み合わせですが、まずは禁煙。破壊された肺胞は元に戻らないものの、禁煙で肺機能が低下するのを遅らせることができます。薬物治療について日本呼吸器学会のガイドラインは、気管支を拡張させる吸入抗コリン薬を第一選択としており、症状に応じてベータ2刺激薬や、飲み薬のテオフィリン薬、吸入ステロイド薬などを使います」
   
―呼吸リハビリは。

 「体力をつけ呼吸機能を改善するための適度な運動や、やせすぎ、太りすぎにならない食事療法、呼吸訓練など包括的な内容です。運動は負荷が少ないものを長めに行うのが安全で、散歩や水泳、自転車こぎなど。瞬発力が必要だったり息を止めて力んだりする運動は、呼吸や循環への負担が大きく向いていません」

―酸素ボンベを使う患者さんもいますが。

「重症化して慢性の酸素不足になり在宅酸素療法を受けている患者さんは全国で五、六万人ですが、酸素療法が必要な人は、この10倍以上いるでしょう。酸素療法は末期になったから行うのではなく、呼吸リハビリの一つなのです。酸素吸入を行い、薬も使い息を楽にしておき、筋力をアップする運動をするのです」


―治療中に注意すべき点は。

「急激に症状が悪化する『急性増悪』です。死亡の危険が高まり、治療費は一回の入院で60万円以上。この1―3割を負担することになり大変です。風邪や感染症で急性増悪になることが多いので、インフルエンザや肺炎球菌のワクチン接種を勧めています。COPDの治療は、服薬や生活習慣の改善など患者参加型でなければ効果を上げることはできず、正しい自己管理が何より重要です」(完)


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