熱中症に気を付けて
夏本番、小さな気配りを

  夏の暑さが近づくにつれて気になる「熱中症」。命を落とすことも珍しくないが、少しの気配りで悲劇は避けられるという。三菱重工業横浜製作所で作業員の健康管理に当たる産業医の北原佳代さんは「意識を高めれば、熱中症は予防できる」と呼び掛けている。

命にかかわることも

 熱中症は汗で体内の水分や塩分が失われるのが原因。脱水で血管が拡張し、脳の血流が低下して起きるのが「熱虚脱」。水分だけを補給して体内のナトリウム濃度が下がり、筋肉がけいれんするのが「熱けいれん」だ。
 さらにこれを通り越し、体温が40度以上になると脳の体温調節中枢がまひする「熱射病」となる。体温が高いのに汗が止まり、皮膚も乾燥しているのが特徴。熱虚脱の症状は頭痛やめまい、吐き気などだが、熱射病では意識障害や錯乱が起き、命にかかわる。
 「気温33度、湿度75%を超えると要注意」と北原さん。「日射病」は炎天下で起きた熱中症だが、風通しの悪さや照り返しも原因となるため、室内でも起きる。
 予防にはまずこまめな給水。作業や運動の前に250―500ミリリットル、作業中は30分に一回程度、コップ一杯を。「のどが渇く前に飲むのがこつ」(北原さん)という。
 ただの水ではなく、塩分も必要。さらに適度な糖分を含むと、腸から塩分がよく吸収される。その意味でスポーツ飲料が理想的だ。100ミリリットル中にナトリウムを40―80ミリグラム含むことを目安に。
 このほかに休憩時間の確保も重要。さらに寝不足や二日酔い、下痢や発熱などの体調不良も熱中症の引き金になる。

体調不良も

 暑くなり始めの数日は、体が慣れていないため注意が必要。梶原洋子・文教大教授は「徐々に暑さに慣らすことが大切。4日ほどで発汗量も上がり、体温も上がりにくくなるなど、暑さに強くなる」と話す。
 体力の低い人や肥満の人、過去に熱中症で倒れたことがある人はハイリスクだが、「いつでも誰でも起きる、ということを忘れないで」と梶原教授。乳幼児や高齢者など、体温調節機能が未熟だったり、落ちている人の事故も目立つという。
 万一倒れた場合は、日陰に運び、首や鼠径(そけい)部、わきの下などの太い血管があるところを氷で冷やし、顔などに水分を吹き掛け、ぬれタオルを当てて体をあおぐなどの手当てが効果的だという。



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