治療成績上がったC型肝炎
積極的な検査、受診を

 二十一世紀の国民病といわれるC型肝炎。日本の慢性肝炎患者百五十万人の70%を占めるとされ、放置すると肝硬変から肝がんになるが、進行が遅く、感染に気付かない人や治療を受けない人も多い。原因となるC型肝炎ウイルス(HCV)は戦後の輸血や注射で広がったため、感染者は高齢化しており、肝がんの増加が危ぶまれる。
 だが新薬の登場で治療成績は向上しており、厚生労働省研究班班長として治療指針を作成した熊田博光(くまだ・ひろみつ)・虎の門病院副院長は「早く治療すると肝がんにならないことを知ってほしい」と専門医の受診を呼び掛けている。
 ▽出そろった治療法?
 二〇〇一年にインターフェロンと抗ウイルス薬リバビリンの併用療法、昨年末には高分子ポリエチレングリコールを結合させたペグインターフェロンとリバビリンの併用療法、今年三月には自己注射―。ここ数年、国はC型肝炎治療で矢継ぎ早の承認をしており、「治療法はほぼ出そろった」(熊田副院長)状態。
 HCVは遺伝子の型で1型と2型に分かれる。治療が最も難しい、1型でかつウイルス量が多い場合、治療指針はペグインターフェロンとリバビリンの四十八週投与を推奨している。
 「1型でウイルスが多いと、かつてのインターフェロン単独投与の治癒率は2%だったが、この方法では62%。2型なら成績は90%程度になる」と熊田副院長。
 ▽数値が正常でも肝硬変に
 治癒しない場合も、インターフェロンを少量、長期間継続投与することで、肝がんを防げることも分かったという。
 しかし研究班の調査では、C型肝炎で治療を受けている患者のうち、インターフェロン治療を受けているのは約13%。
 製薬会社シェリング・プラウが今年二月に行ったインターネット調査でも、患者四百人のうち八十人が通院していなかった。その理由は「自覚症状がなく、健康だから」と「肝機能が正常と言われた」が圧倒的。
 だが「肝機能の数値が正常でも、一気に肝硬変に進む人がいる」と熊田副院長。米国の治療指針は、肝機能が正常な無症候感染者にも治療を検討するよう勧告している。
 熊田副院長は「こういう隠れた患者の発見率向上が対策の鍵。B型肝炎ウイルスの検査に比べて費用は高いが、企業などの健診にもHCV検査を組み込んでほしい」と話している。



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