『肥満症 3』

食事と運動が治療の基本
坂田利家・中村学園大教授

 ―肥満症治療ガイドラインの策定作業はどこまで来ていますか。

 「遅くとも秋には出版の予定で、その後、できれば内容をかみ砕いた一般向けの解説書も、と計画しています」

 ―どのような内容になりますか。

 「治療の原則は、一日のエネルギー摂取量が消費量を超えない状態を継続して、体脂肪、特に内臓脂肪を減らすこと。治療法は食事療法、運動療法、行動療法、薬物療法、外科療法の五つですが、食事療法を基本に運動療法を活用します。内臓脂肪型肥満には運動が効きますから。薬物療法の正しい使い方も目玉の一つです」

 ―具体的には。

 「食事療法なら、一日の摂取カロリーを200刻みで分類。例えば『肥満治療食18』と指定すれば、1日当たり1800キロカロリーの食事と分かるようにしました。次いで、600キロカロリー以下の『超低エネルギー食』は心筋梗塞(こうそく)など幾つかの病気には使えず、実施は入院管理が前提です」

 ―全体では。

 「外科療法以外の四つは同じ項目立てで、併用しやすいよう工夫しています。例えば、治療目標が決まれば、食事は何番、運動はどのくらいの量、と簡単に分かります」

 ―薬物治療は。

 「日本では一種類しか薬が出ていません。しかもBMI35以上の人が適応で、使える人は限られます。このため、製薬会社で新しい薬の開発が進んでいます」

 ―減量で難しいのがリバウンドですが。

 「確かに一番大切なのは長期維持。統一見解がまだ出ていないので、その防止は将来の課題です。当面は行動療法による自己管理で対応してもらう。毎日体重を量って、太ったらすぐ手を打てば戻れますから」





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