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最重症薬疹の認識が不足 悪化予測の迅速診断も |
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医薬品の副作用で起きる薬疹(やくしん)の中でも最重症に位置し、死亡率、後遺症の発生頻度とも非常に高いのが「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)と「中毒性表皮壊死(えし)症」(TEN)だ。医療関係者、患者ともにこれらの病気に対する認識は不足しており、初期の段階で診断できるかどうかが治療の鍵を握る。多くの場合、二つの病気には連続性があることから、症状が軽いうちに悪化を予測し、治療に生かす迅速診断も始まっている。 ▽1100を超える薬で
1999年から2001年の3年間に、国の医薬品副作用救済制度で副作用と認定された薬疹や皮膚障害のうち、60%近くを占めるのがこれら二つの病気。死亡率はSJSが6%程度、TENが20―30%といわれる。「なかなか減らせない副作用で、重大な問題」(厚生労働省)というのが現状だ。アレルギー性の皮膚反応と考えられており、薬以外の原因でも起き得るが、SJSの約60%、TENの90%以上は薬が原因との報告もある。同省によると、添付文書に注意書きがある薬は1100を超え、副作用の推定原因として報告が多い薬は、抗生物質や解熱鎮痛消炎剤、抗てんかん剤などだ。 ▽大半は「進展型」
薬疹に詳しい飯島正文・昭和大医学部皮膚科教授によると、二つの病気は近年、一連のものと考えられている。発熱や発疹(ほっしん)で始まり、水ぶくれやびらんが広がっていくのがSJSで、眼や口などの粘膜に症状が出やすい。TENの場合は、こうした症状がより広範囲に及ぶ。TENの9割以上は、SJSの症状が全身に拡大・悪化した「SJS進展型」で、数日で症状が一気に進むケースもあるという。 「水痘や、はしかと混同しやすく、診断は難しい。だが、初期に発症を確認して適切な治療ができれば、重症化を食い止めることも可能になる」と同教授。そこで同教授は、結果が短時間で分かる迅速病理診断と呼ばれる方法を提唱する。 どちらの病気でも患者の皮膚で起きているのは「移植片対宿主反応」という現象だ。骨髄移植や輸血でも起きることがあるこの反応は、体内に入ったものが患者の組織を異物と認識して攻撃、表皮細胞の壊死などを引き起こす。 ▽短時間で結果 通常の病理診断は、患者の組織の一部を切り取ってホルマリンで処理し、顕微鏡で観察する。同反応が確認できれば、診断が確定したり、重症化予測の目安となったりするが、この作業には2、3日かかる。一方、迅速診断はホルマリン処理を省略し、組織を低温状態で染色して観察する。 「正確さでは劣るが、表皮の壊死は確認でき、一刻を争う重症薬疹の診断で大きな意味がある。発疹などが見られない、一見正常な皮膚にも反応が見つかれば、近く重症化すると推定できる」と飯島教授。 SJSの初期には、原因と考えられる薬の投与中止と、アレルギー反応を抑えるステロイド剤の投与が基本。ただ、症状が進行してしまうと逆効果の場合もある。最近は、各種ウイルスに対する抗体を含み、ウイルスの活性を抑える免疫グロブリンとの併用も注目されている。 飯島教授は「誰かが薬疹を疑ってみることが最も大切で、治療成功の可否を左右するともいえる。SJSは眼の重い合併症を併発することも多いので、眼科医の協力も不可欠だ」と話している。 +font> |