アジアでがん急増の恐れ
米対がん協会会長

 がんの予防や患者の治療支援などに取り組む米国最大のボランティア組織、米対がん協会(ACS)の会長で、米対がん協会(UICC)会長でもあるジョン・セフリン氏がこのほど来日し、「たばこが原因のがんがアジアで急増する恐れがあり、直ちに対策を講じないと手遅れになる」などと語った。
 ―米国の現状は。
 「米国でのがん死亡率は20世紀を通じて増加し続けたが、1992年を境に減少に転じた。がん死亡率の増減に喫煙率が最も大きな影響を与えたことは明らかだ。92年以降の死亡率減少には、がんの早期発見が可能になったことも大きい。以前は進行してから見つかることが多かったため予後が良くなかった。がんは高齢者に多いため、今後は人口の高齢化が大きく影響してくると考えられる」
 ―国際的にはどうか。
 「がん患者や、がんによる死亡は世界のどの地域でも増大している。エイズや新型肺炎(SARS)の陰に隠れてあまり伝えられていないが、先進国だけでなく発展途上国でも大きな問題になりつつある。日本では現在、がんが死因の第1位で、がんの第一の原因はたばこだ。この事実はわれわれに非常に重要な教訓を教えてくれる」  ―アジアの状況をどう見るか。
 「アジアでは肺がん死が1年に100万以上発生するという推計がある。同様にたばこ関連疾患により100万人の死者が出ると思われている。喫煙者の半数は最終的にたばこが原因で死亡するという推計もあり、アジアではたばこ問題は特に重要性が高い。いわば時限爆弾のようなもので歴史上最悪の疫病がアジアで爆発する恐れがある。幸い、まだ時間が残されているが、今行動を始めなければ手遅れになる恐れもある」
 ―がん研究の現状は。
 「われわれのがんに対する知識や技術は非常に発展している。がんを防ぐために、将来の大きな発見などを待つ必要は全くなく、手持ちのもので十分だ。従って、世界でのがんによる死亡は本来予防できるもので、不必要な死亡であるともいえる」
 ―日米でどう取り組むか。
 「がんはいろんな病気の中でも最も予防が可能で、最も治療が可能な病気だが、一般の人はこの事実をあまりよく知らない。予防や治療の可能性を現実のものにしていくために、日米の対がん協会が共同して、科学的根拠に基づいた対策を実行しなければならない」

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