『肥満症 2』

特殊な日本の肥満事情
坂田利家・中村学園大教授

 ―肥満は先進国共通の悩みです。日本の特殊性はありますか。

 「実は、世界保健機関(WHO)でも欧米でも、肥満はBMI30からです。25から30までは『過体重』と呼んでいます。何しろ向こうでは、BMIで35とか40という人がごろごろいます。だから肥満イコール肥満症なんです」

 ―でも日本は違う。

 「ええ。日本ではBMI30以上となると、人口の3%に満たない。しかし、よく調べてみると25から30の間の人に、肥満による病気を幾つも重複して起こしている人が多い。つまりメタボリックシンドロームですね。それで肥満の判定基準をBMI25以上としたのです」

 ―日本では肥満と肥満症が混在している。

 「だから肥満症という概念を打ち出したんです。最近では欧米でも『調べてみると、過体重の人の中にも確かに病気の人はいる』と言いだして、『HIMANSHO』という日本語をそのまま使う人も出てくるようになりました」

 ―肥満症で問題になる病気とはどのようなものでしょう。

 「大きく二つに分類できます。一つは脂肪細胞の質的異常、つまり内臓脂肪の蓄積によるもの。これは2型糖尿病・糖耐能異常、高血圧、脂質代謝異常、高尿酸血症・痛風、脂肪肝、冠動脈疾患、脳梗塞(こうそく)と、さらに初めの三疾患のうちの二つ以上の疾患が起きているメタボリックシンドローム。そしてもう一つが脂肪細胞の量的蓄積によるもので、これは骨関節疾患、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、月経異常です」





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