妊娠中の糖尿病に注意を 

 厳格な血糖管理が必要

 女性は妊娠によって糖尿病を発症したり、もともと糖尿病がある場合は悪化したりすることがある。さらに母体の高血糖は胎児に異常を起こしやすく、無事に出産するには厳格な血糖管理が必要。専門医は妊娠前の糖尿病検査や計画妊娠の重要性を強調している。
 糖尿病はインスリンというホルモンが足りなくなったり効きが悪くなったりして、血液中のブドウ糖を正常に代謝できなくなる病気。高血糖状態が続くと網膜症や腎症、手足の神経障害などさまざまな合併症が起こる。
 ▽巨大児のリスクも
 東京都済生会中央病院の穴沢園子(あなざわ・そのこ)医師(内科)によると、糖尿病の女性は妊娠に伴い血糖値が上がり、合併症が悪化する恐れがあるほか、死産や胎児の奇形、4000グラム以上の「巨大児」に成長して難産になるリスクもあるという。
 健康な女性が妊娠中に発症する糖尿病は妊娠糖尿病と呼ばれ、全妊婦の2―3%に起こる。出産後はいったん改善することが多いが「将来、本当の糖尿病になる可能性が大きい」(穴沢医師)。
 妊娠が糖尿病を〝促進〟するのは、妊娠後期に胎盤から出るホルモンが増え、インスリンの働きを妨げることが原因。健康ならインスリンの分泌を増やして補うが、糖尿病の女性はインスリン分泌を十分増やせず、血糖値が上がってしまう。
 糖尿病でなくても、肥満だったり家族に糖尿病患者がいたりする場合は、インスリンの分泌能力が低く、妊娠糖尿病になりやすいという。
 ▽計画妊娠を
 糖尿病による死産は1922年にインスリンが発見されてから大幅に低下したが、奇形の発生率はいまだに6―8%で変化していない。
 これは、胎児に奇形が起きやすい妊娠初期に、多くの女性が妊娠に気付かず、厳格な血糖管理をしないため。「糖尿病の女性が胎児の奇形を防ぐ唯一の方法は妊娠前管理をして計画妊娠すること」(同医師)という。
 妊娠中は食事療法、血糖値の自己測定、インスリン注射などを組み合わせ、血糖値をできる限り妊婦の正常値に近づけることが必要で、妊娠前からの管理が不可欠だ。
 穴沢医師は「女性は健診を受けるチャンスが少ないが、糖尿病に気づかず妊娠することのないよう注意が必要。妊娠糖尿病も早期発見、早期治療が重要で、早めに妊婦健診を受けることが大切だ」と話している。



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