『動脈硬化-4』

 LDLの値に注意を 
山岸 正和・金沢大教授

 

 
  ―動脈硬化性疾患の治療にはどのようなものがありますか。

 「コレステロール低下や糖尿病治療、降圧、減量、禁煙などの危険因子を減らす全身療法と、詰まった血管に対処するステントやバイパス手術などの局所療法があります。これをしっかり組み合わせることが大切です」

 ―というと。

 「局所治療も進歩し、最近は狭くなった血管に筒状の金属の網、ステントを入れる治療が盛んです。しかも免疫抑制剤を塗り、再狭窄(きょうさく)が起きないステントも出ました。でも両者の間で心筋梗塞(こうそく)の発生率や生存率に差はないのです。これは局所治療だけで、コレステロールを下げる全身治療がうまくいっていないためです。治療後もLDLが100以上で放置されている例をよく見掛けます」

 ―LDL対策は?

 「軽いなら食事療法や運動で対処できますが、それでも下がらないなら薬を使う。スタチンという高脂血症薬はとても良く効きます。現在、日本では6種類が使えます。初期の薬はLDLを100まで下げる程度ですが、最近の薬はさらに下げてくれます。症状に合わせて使い分けることです」


―どのくらい服用するのでしょうか。


 「日本人の場合、食事療法を守れば、保険適用内の量で十分効果があります。例えばリピトールという薬の場合、米国では80ミリグラム使いますが、日本人の処方量は大体10ミリグラム。さらに生活環境の変化などで弱い薬に替えたり、服用をやめられることもあります」


―最後に専門医としてのアドバイスを。


 「動脈硬化は欧米に比べ少なくても、虚血性心疾患と脳梗塞を合わせると年間で約30万人と、がんと同程度の方が亡くなっています。コレステロール、特にLDLの値には日ごろから注意を払ってください」(完)


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