放置せず早めの受診を 睡眠時無呼吸症候群 


 山陽新幹線の居眠り運転で注目された睡眠時無呼吸症候群(SAS)。国内の患者は約300万人と推定されるが、それでも治療を受けているのは50人に一人。放置すれば、事故など仕事の失敗につながるだけでなく、生活習慣病や心疾患を併発する。専門医は早めの受診を呼び掛けている。
 SASの定義は10十秒以上の無呼吸が一晩に30回以上、あるいは1時間に平均5回以上起きること。大別して、睡眠中に舌や肥大した軟口蓋(口の奥の軟らかい部分)が上気道をふさぐ「閉塞(へいそく)性」と、脳から呼吸指令が出なくなる「中枢性」の2種類がある。

▽男性が女性の10倍

 閉塞性が圧倒的に多く、男性が女性の10倍に上る。軽症なら減量やマウスピースの装着で効果 があるが、無呼吸が1時間に20回以上の重症患者では「マスクを付けて一定の圧力の空気を送り 込み、上気道を広げるCPAP療法が最も確実です」と虎の門病院睡眠センター長の成井浩司(なる い・こうじ)医師。  同センターは現在、専門医のほか16人の睡眠検査技師が所属。8つの個室を備え、終夜モニター を実施している。治療が必要と判断されると、2泊3日の入院で、初日は無呼吸の重症度と眠りの質を判定。翌日にCPAPを付け効果を確認する。既に約3000人にCPAPを導入した。  このうちの1032人の分析では、体格指数(BMI)は男性27・6、女性28・1と、ともに肥満傾向にあり、合併症の割合も、男女とも高血圧で60%以上、高脂血症が50%前後と高かった。

▽再狭窄が3%に

 「治療でよく眠れるようになり、体を動かす意欲が出てくることで、生活習慣病も確実によくなります 」と成井医師。  また、虚血性心疾患は男性が5・7%、女性が1・7%、脳梗塞(こうそく)はそれぞれ5・0%、6・8 %も合併していたが、これらもSASの治療で再発予防が可能だという。東京女子医大の弓野大(ゆみの・だい)医師らによる、冠動脈疾患患者の約半年の追跡調査では 、SASがない人は再狭窄(きょうさく)がほとんどなかったが、SASがあると30%に達した。虎の門病院では高血圧や不整脈、心不全の患者にはSASのスクリーニング検査を行っている。 循環器内科の百村伸一(ももむら・しんいち)部長は「SASを合併した心不全の予後は悪いし、不整 脈の一つ、心房細動もSASの人に多い。その治療は重要になる」と話している。



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