『動脈硬化-2』

 気付きにくい全身病 
山岸正和・金沢大教授

 

 
  ―動脈硬化で起きる病気は多いのですか。

 「まずは心筋梗塞(こうそく)や狭心症などの虚血性心疾患と脳梗塞。さらに下肢血管の閉塞(へいそく)性動脈硬化症や腎臓の腎血管性高血圧などがあります。動脈硬化は全身病です。どこから始まるかは個人差がありますが、一つの病気が見つかったら、ほかの病気も要注意です」

 ―日本人は動脈硬化が少ないと聞きました。

 「確かにそうですが、これは人種差より生活環境の違いが大きいと思います。日本でも食生活の欧米化で増えています。例えば虚血性心疾患の死者は欧米では漸減状態ですが、日本は逆に漸増状態。日本人の平均総コレステロール値は既に米国人を抜いたとのデータもあります」

 ―油断はできない。

 「動脈硬化は血管が詰まらないと症状は出ないため、気付かないうちに進行していることが多いのです。米国の病院で移植に使った心臓を調べた結果、50歳以上では実に85%、さらに13歳から19歳でも17%に動脈硬化病変があったとの報告があります」

―前兆は全くない?

 「脳でもそうですが、心臓の冠動脈でも、小さな梗塞は自然に再開通することがあります。胸痛や息苦しさが安静時に起きるのが特徴。こういうことがあったら専門医を受診してください。またアキレスけんが膨れて硬くなり、指でつまめないようなら高脂血症を疑ってください」

―診断方法は。

 「造影剤を入れてエックス線撮影する血管造影が一般的ですが、血管壁の内部を評価できない欠点がある。そのため最近は、血管内に超小型の超音波診断装置を 入れる血管内エコーもよく行われます。後は手軽な頸(けい)動脈エコーもお勧めです。ここに動脈硬化が起きていれば、ほかでも起きていると考えられます」


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