増える近視、大人で発症も
パソコンやゲームが拍車

 日本人の近視が増えている。小児だけでなく、かつては考えられなかった大人の発症もみられるようになった。パソコン作業の増加などの環境変化が原因とみられ、世界的な傾向だという。
 乳幼児の視力を特殊な方法で測ると、生後1カ月で0.03、3カ月で0.1、6カ月で0.2と次第に向上し、3歳児では1.0以上が67%、5歳児で86%。6歳でほぼ全員が1.0以上になり、視力は完成する。


▽ 注視で目に負担

 近視は小学生になるころから始まり、中学、高校と進むにつれてその割合は増加する。視力1.0以下の低視力者の割合は年々増加の傾向にあり、17歳時点の0.3未満の割合は1980年は約30%だったが、2000年には40%近くに達しているという。
 さらに問題がある。東京医科歯科大の所敬(ところ・たかし)名誉教授は「かつての近視は22、3歳で進行が止まるとされたが、今は止まらない人が多い。さらに大人になってから近視になる人も出てきた」と指摘する。
 背景にはVDT作業の増加やテレビゲームなどの影響が考えられるという。「画面をぼんやり見ることが多いテレビは問題がまだ少ないが、パソコンやゲームは画面を注視するため、目への負担が大きくなる」(所教授)ためだ。
 揺れる電車内などで小さな携帯電話の画面を見ている人も多いが、「成人の近視を作っているようなもの」と所教授。

▽ 投薬や生活習慣で改善も

 発症初期では障害は一過性で、遺伝的要因でなければ、投薬や生活習慣の改善で治ることもあるという。ただ時期を逃すと症状が固定してしまうので注意が必要。
 発症の予防や進行の抑制には「本を読むときには明るいところで、姿勢を正しく」など、昔からいわれてきた生活習慣の注意が重要。特に小児の場合、目に合わない眼鏡で過矯正をすると、近視がかえって進んでしまうので注意を。
 さらに動物実験では、暗闇で過ごす時間が長いと近視が進まないことをうかがわせるデータもあるという。所教授は「視力がまだ完成していない乳幼児の時期に、真っ暗な部屋で寝かせることが、将来の近視予防につながると考えられる」と話している。




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