『肝炎-3』

 一度はウイルス検査を 
林紀夫・大阪大教授

 

 
 ―今回はC型肝炎について教えてください。

 「肝炎ウイルスの中で最も要注意です。キャリアーが人口の1.0―1.2%と多いだけでなく、実は肝がんになる危険が一番高い。日本の肝がんの80%がC型肝炎によるものとされています。急性肝炎患者の70%が慢性肝炎になり、治療しないとその30―40%が10―30年で肝硬変に進みます。日本のキャリアーの平均年齢は60代と高齢化しています」

 ―感染ルートは。

 「輸血や血液製剤によるものが約50%。残りは入れ墨や覚せい剤の注射などによるとされていますが、原因不明のものもあります」

 ―予防接種が原因ともいわれますが。

 「血液中のウイルス量がB型肝炎の一万分の一と少ないため、感染力は非常に弱く、それほど感染しないと思います。母子感染は数%と低く、性交渉で感染することはほとんどありません」

 ―C型は成人後にも持続感染する理由は。

 「非常に賢いウイルスで、生体の免疫系を抑制してしまうため、排除されなくなります。感染時の症状も軽く、肝機能の数値も異常にならないため、感染に気付かない人も多いのです」

―症状は。

 「倦怠(けんたい)感や食欲不振を訴えることもありますが、基本的には無症状のことが多いのです。肝硬変に進んでようやく、手のひらが赤くなる、足のむくみ、足がつる、さらに顔に血管が浮いてくるなどのさまざまな症状が出てきます」

 ―知らないうちに肝硬変や肝がんになる。

 「そうです。早期のうちに治療を始めた方が効果は高くなります。特に過去に手術や輸血を受けたことがある人は、たとえ自覚症状がなくても一度、肝炎ウイルス検査を受けてください」


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