心臓病死増える糖尿病患者
循環器医と連携不可欠

 米国では、ほかの病気ではすべて死亡率が下がっているのに、糖尿病患者だけは死亡率が上がっているそうだ。
 「それは日本でも同じ」と指摘するのは京都大医学部の臨床教授で、JR京都専売病院の桝田出(いずる)内科部長。
▽虚血性心疾患による死亡19%に上昇
 「肥満などが原因で起こる2型糖尿病患者の最近10年間の死亡率は同傾向にある」という。
 死亡率が高い原因は、糖尿病の合併症として知られている腎症・腎不全に加え、虚血性心疾患などの心臓病の発症が増えているためと考えられている。
 「日本の2型糖尿病患者の死因分析では、虚血性心疾患による死亡が年とともに増加中。1970年代後半では全体の10・9%だったが、90年代前半には19%に上昇している」と桝田部長。
 糖尿病を合併した心臓病(虚血性心疾患)については、いくつか問題点があるらしい。
 桝田部長によると、①血糖値と心臓病の関係で、まだ分からないことが多く、治療による予防効果が明らかでない②冠動脈硬化のほかにも糖尿病特有の心臓障害のために、心不全に陥りやすい③無症候性の心筋虚血の頻度が高く、病態に比べて症状が軽いものがある④糖尿病特有の合併症(腎症や網膜症、神経障害など)のため、治療が制限される―などだ。
 しかも、専門性の壁があって治療の連携がうまくいっていないという。
 「まず循環器と糖尿病を両方診療できる専門医が少ない。また循環器医は長期の治療が好きじゃないことが多く、時間がかかる糖尿病治療に積極的でないということもある」(同部長)
▽厳格な血糖コントロールを
 このため桝田部長らは、2001年から毎年、京都で循環器医と糖尿病医の合同ミーティングを開き、糖尿病に合併する心血管障害を未然に防ぐ方策を模索している。
 糖尿病治療で、循環器医は単剤を使いたがるが、糖尿病医は複数の薬を使い、糖尿病に合併した冠動脈疾患治療では、使う薬の種類にも両者で違うことなどがミーティングで分かってきた。
 また、どの段階の患者をどちらが診た方がよいのかについても、合意が得られ始めたという。
 桝田部長は「糖尿病患者の心血管障害を防ぐには、糖尿病専門医と循環器専門医の連携が大事で、糖尿病の病態を踏まえた循環器治療に加え、積極的かつ厳格な血糖コントロールを目指す必要がある」と話している。

 

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