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食生活欧米化で急増 全身調べ治療法判断 |
のどの両側を通って脳に血液を送っている頚(けい)動脈にコレステロールがたま
り、極端に狭くなる「頚動脈狭さく」が、最近増えている。放置すると脳梗塞(こう
そく)になる可能性が高いが、驚くことに片方が完全に詰まってしまっているケース
も時に見られる。本人は自覚症状がなく、脳ドックなどの検診で見つかることが多
い。今後も発見は大幅に増えそうだ。
▽分岐部に集中 「頚動脈狭さくは以前からあったと思うが、食生活の欧米化や検査法の進歩で見つかる機会が増えてきた」と聖マリアンナ医科大(神奈川県)神経内科の高橋洋一助教授は指摘する。 頚動脈は、のどの右側と左側にそれぞれ1本ずつ計2本ある。狭さくが起こりやすいのは、下から来た総頚動脈(直径10mm弱)が、2つに分かれる分岐部の所。個人差はあるが、あごの骨の下あたりになる。 分岐すると、脳へ行く内頚動脈と顔の方に行く外頚動脈の2つに分かれる。この辺が詰まったり、血栓ができたりすると、脳に直接影響が出る怖い所だ。 横浜市大医学部脳神経外科の山本勇夫教授も「頚動脈は狭さくがよく起きる部位で決して少なくない。症状がない無症候性でもばかにできない」と注意を促す。 昔は造影剤を入れて血管撮影をする必要があったので大変だったが、今は超音波検査やMRI(磁気共鳴画像装置)などで簡単に分かる。検査の結果、すごい狭さくに初めて気付き、びっくりすることもある。 ▽多い合併症
ゆっくり、徐々に狭さくしていく場合、それに体の方が対応して、バイパスのよう
な血管ができたり、反対側の頚動脈から血流が供給されて、脳梗塞の症状が出ないこ
ともある。これが無症候性の狭さくだ。狭さくが見つかった場合、外科的治療と内科的治療がある。通常、動脈硬化の進行 は1カ所だけではないことが多く、特に心臓をはじめ、全身のチェックが欠かせな い。糖尿病など他の生活習慣病の合併症があることも少なくない。 「どちらの治療法がよいか、まだ一定の結論が出ていない。基本的に内科的治療法 が必要だが、外科的治療については、ケースごとに慎重に検討すべきだ」と高橋助教 授。内科的治療では、抗血小板薬などの服用で血液を固まりにくくする方法が取られ る。 山本教授は「欧米で行われた大規模調査の結果では、脳梗塞予防のためには外科的 治療法が勝っているとのデータが出ている。実際にまひなどの症状がなくても60% 以上の頚動脈狭さくが見つかれば、積極的に手術する」と話す。 ▽切開かステントか 狭さくは分岐部そのものよりも、脳につながる内頚動脈に入った所にできるのが普通という。 外科的治療は頚動脈の血流を一時遮断して切開し、狭さく部分を血管の内膜とともに摘出する「内膜剥離(はくり)術」(CEA)と、血管内から金属の網状の筒(ステント)を狭さく部に通して広げる「ステント留置術」の2つがある。 「現在、どちらが有効か、治験が行われている。ステントの方が手術時間が短い利点はあるが、再狭さくの可能性は高く、確実なのはCEAと思う」(同教授) 無症候性頚動脈狭さくの男性(71)のケースでは、右頚動脈が完全にふさがり、左側もかなり狭さくし、脳の血流が低下していた。このため、CEAを行い、脳内の血流は改善した。 同様に無症状で、左頚動脈が完全に詰まり、右側もほとんど狭さくして見つかった男性(72)では右のCEAを実施したという。 山本教授は「今の段階では通常の頚動脈狭さくに対してはCEAがよいと思う」と話している。 +font> |