早期発見で普通の生活可能
女性のターナー症候群

 ターナー症候群は女性だけに起こる先天的な病気だ。大きな特徴は背が低いということだが、早期に発見すれば対処できる。染色体に関係しているため、病気そのものは治せないが、成長ホルモンの投与で身長は伸び、二次性徴の欠如も女性ホルモンで治療可能。普通の人と同じ生活を送ることができる。
▽100人に1人の割合で発生
 ターナー症候群の診断や治療について、国立成育医療センター研究所小児思春期発育研究部の緒方勤部長に聞いた。
 「“染色体異常”と呼ばれる病気としてはダウン症に次いで多い。昔は2500人に1人と言われたが、現在は恐らく1000人に1人ぐらい。ダウン症は高齢出産を避けるなどで、ある程度避けられるが、この病気はそういうことはない。一定の割合で発生する病気だ」
 病気の原因は、女性では普通2本ある性染色体(X染色体)の片方が全くないか、一部が欠失していることなどによる。
 「どの程度、欠失しているかで症状が変わってくることが分かっている。X染色体の短腕の先端にある成長決定遺伝子SHOX(ショックス)に欠失があると低身長など、主に骨に影響が出てくる」
 診断可能な時期がそれぞれあり、①胎児期は超音波で首の後ろに見つかる頚部膿腫(けいぶのうしゅ)②新生児期はリンパ浮腫③小児期は低身長④思春期には二次性徴が出ないことで見つかる―という。
 「幼稚園から小学校の小児期に、低身長で見つかることが最も多い。全体の3分の2ぐらいありそうだ」
 成長ホルモン治療は、早いほど効果があり、最終身長で7cmぐらい伸びる。何もしない場合は平均138cm。早く治療を始めれば150cmを超える。成長ホルモンは毎日注射するが、針が細いので痛くはないという。
▽小学前から成長ホルモン
 「女性ホルモン補充療法は、症状や身長によっても違うが、普通のパターンは、なるべく早く見つけて、小学校前から成長ホルモンを使い始め、中学から成長ホルモンとともに、女性ホルモンをのむ。胸と子宮が大きくなったのを確認した後、黄体ホルモンを投与して、生理を引き出す」
 自然に生理が来るかどうかは、欠失部分の大きさによるが、残念ながら、ターナー症候群で妊娠・出産できる人は少数派にとどまるという。
 緒方部長は「小児病院では20歳を過ぎると、ほかの病院に転院しなければならない。現在は、大人のターナー症候群の患者を診る人がいないという問題がある」と話している。

 

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