タイプに応じた治療を
親子に負担の夜尿症
 5―6歳ごろを過ぎても、毎晩のようにおねしょが続く夜尿症。「この病気は親にも子にも大きな心の負担だが、タイプに応じた適切な治療で治っていくことを分かってほしい」と話すのは、日本夜尿症学会理事長で「ほあし子どものこころクリニック」(東京都世田谷区)の帆足英一院長


▽3つのタイプに分類
 近年の研究の進歩で、夜尿症はさまざまな原因が複雑に絡んだ症候群であることが分かってきており、帆足院長は3つのタイプに分類する。
 一つは、一晩の尿量が非常に多い「多量遺尿型」。尿を濃くして量を減らす働きをする抗利尿ホルモンが、睡眠中に脳下垂体から分泌されるリズムに狂いが出ることと関係している。
 2つ目は、ぼうこう自体の機能や、ぼうこうに関係する自律神経系に問題がある「排尿機能未熟型」。ぼうこうにためられる尿量が少なく、夜だけでなく昼間も頻尿になる傾向があるという。
 多量遺尿型と排尿機能未熟型の両方の側面を持つのが、3つ目の「混合型」だ。  治療はまず、夜間の尿量や尿の濃さを調べたり、日中にためられる最大尿量を測定したりするなどして、どのタイプの夜尿症かを診断。その上で、生活指導と薬剤の投与を組み合わせてフォローしていく。
 生活指導の3原則は「起こさず、あせらず、しからず」だ。帆足院長は「夜中に起こすと睡眠のリズムが乱れ、抗利尿ホルモンの分泌量が減ってしまう。体自体の発育をつかさどる成長ホルモンの分泌にも悪影響を及ぼす」と説明する。
 夕方以降は水分の摂取を控え、塩分を控えめにすることなども大事。


▽近くスプレー式製品も登場
 自分の意志に反して出てしまう夜尿自体をしかるのは、チャレンジへの意欲を失わせマイナスだという。
 薬物療法は、多量遺尿型では抗利尿ホルモンの点鼻が中心。特にホルモン分泌不足で薄い尿が大量に出ている場合に効果が高い。これまでの製品に比べ投与しやすいスプレー式の製品が1月に承認され、近く発売となる予定だ。
 多量遺尿型には抗うつ剤の一種、排尿機能未熟型には尿失禁治療薬も有効だが、小児への使用には注意が必要なものもある。生活指導や副作用のチェックを受けながら、治療を続けることが重要だ。







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