傷の保護から治癒促進へ
創傷被覆材が進化

 ちょっとした切り傷や擦り傷に手軽に使われるガーゼ付きばんそうこう。これまでは創傷面を保護するだけだったが、このほど医療現場で使われている本格的な創傷被覆材を用い、傷を治癒させる効果がある新製品が登場した。
▽高まる自然治癒力
 ジョンソン・エンド・ジョンソン社の開発で、バンドエイドの“次世代”製品「キズパワーパッド」。
 外側は防水性と透湿性を持つポリウレタンフィルム。その内側全面に創傷被覆材で吸水性高分子の「ハイドロコロイド」素材が使われている。
 この素材で傷を覆うと、傷口から染み出てくる体液を吸収。膨らんでゲル状になり、傷口周辺が湿潤環境に保たれることで自然治癒力が高まる。
 同社によると、素材が体液を吸収すると白くなって膨らむのが特徴。傷の治りは、従来の創傷面保護だけの製品と比べて3倍早く、痛みも軽減される。軽度のやけどにも対応でき、頻繁な張り替えも不要で最長5日間張ったままで大丈夫という。
 国際形成外科学会副理事長の塩谷信幸・北里大名誉教授(形成外科)は「医師も含め、多くの人が今でもそう思っているが、傷を乾かし、かさぶたをつくって治すのは間違い。現在は“モイストヒーリング(湿潤療法)”といって、湿潤環境で傷を治す方が、治りが早いだけでなく、きれいに治ることが分かっている」と指摘する。
▽体液は傷を治すカクテル
 傷口を乾かさずに、体液を保持したまま、湿潤環境下で治すという考え方は、最初は1960年代に英国で提唱されたが、良い被覆材がないまま、時間が経過。80年代から本格的な被覆材が登場し、医療現場ではモイストヒーリングが常識となっているという。
 「やけどでできた水ぶくれは破ったら駄目。そのままの方が早く治る。体液の中にはいろいろなサイトカイン(生理活性物質)が入っており、体液は傷を治す“カクテル”のようなもの。今回の製品の宣伝をするわけじゃないが、湿潤環境の方が平均して2倍ぐらいは早い」(同名誉教授)
 「創傷治癒センター」(http://www.woundhealing-center.jp/)というホームページも持っている塩谷名誉教授は、家庭での傷の手当てについて「ばんそうこうを張る前に、消毒液よりも、まず水道水で傷口を洗うことが大事」と話している。
 キズパワーパッドの発売は3月15日、普通サイズ10枚入り、大きめサイズ6枚入り、それぞれ850円。

 

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