『たばこ病-1


 たばこ病 
木田厚瑞日本医大教授

 
 息苦しくなり、呼吸不全や寝たきりの原因となる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)。その実態や診療について、日本医大呼吸ケアクリニック(東京都千代田区)所長の木田厚瑞教授に聞いた。

 ―最近まで聞いたことのない病名でしたが。

「以前は、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていました。20001年に世界保健機関(WHO)や米国立衛生研究所(NIH)などが国際的なガイドラインを作り、世界中でCOPDという名称に統一されました」
   
―症状の特徴は。

「せきやたんが出る、階段を上るときに息切れがする、などが主な症状です。進行すると手足の筋力が低下し寝たきりに近くなり、酸素が足りなくなる呼吸不全や死にもつながります。しかし、症状がゆっくり進行するので、本人はなかなか気づかない。息切れしても『風邪が治らない』『年のせい』などと自分で理屈をつけてしまいがちで、別の病気で医療機関を受診してCOPDと分かる人が結構います」

―原因は。

「日本人の場合、95%は喫煙習慣が原因なので『たばこ病』『肺の生活習慣病』とも呼ばれます。たばこ消費量の増加から十年で肺がんによる死亡率が増え、さらに10年でCOPDによる死亡率が増加しています。喫煙率が高く、若い世代や女性で喫煙者が増えている日本では今後、急増が懸念されます」


―患者はどのくらい。

 「診療を受けているのは21万人ですが、患者は推定で530万人に上ります。40歳以上の有病率は8・5%、70歳以上だと17・4%で、年齢が上がるほど高くなります。COPDは世界的にも深刻で、1990年には世界の死因の10位でしたが、喫煙対策を取らないと2020年までには3位になると予測されています」(続く)


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