遺伝子調べ最適の肝炎治療
厚労省、07年度から研究

 遺伝子情報などを基に、それぞれの患者に最も適した治療法を提供する「テーラーメード医療」を、ウイルス感染で起きるB、C型肝炎へ応用する研究に、厚生労働省が2007年度から取り組む。

 

▽遺伝子タイプで病状に違い
 B、C型の肝炎ウイルスは主に血液を介して感染。B型は国内に110万―140万人の感染者がいるとされ、10%前後が慢性肝炎になる。汚染血液製剤の投与による感染が問題となったC型は、推計150―190万人。65―70%が慢性肝炎になり、放置すると肝硬変や肝がんに移行する。
 いずれのウイルスも遺伝子のタイプで、さらに細かく分類される。肝炎ウイルスに詳しい国立感染症研究所の脇田隆字ウイルス第2部長によると「遺伝子タイプによって、病状などに違いが出るだけでなく、治療薬の効果に大きな差が出ることが分かってきている」という。
 例えばC型肝炎をインターフェロン単独で治療する場合、血中のウイルス量にもよるが、ウイルスが2aというタイプの人の約60%はウイルスが駆除され慢性肝炎が治る一方、2bではこれが約40%、1bでは約20%というデータが得られている。



▽テーラーメード医療

 一方、ウイルスのタイプが同じでも、患者側の体質で薬の効き方は異なってくる。  さまざまな体質の患者に一律の治療を行うのではなく、体質を決める遺伝子のわずかな違いに着目して治療するのがテーラーメード医療で、オーダーメード医療とも呼ばれている。
 厚労省は研究班を設け、まず、ウイルスのタイプや遺伝子の情報と、患者への薬の投与量、治療経過などの情報を統合したデータベースを構築する。
 将来は、これに患者の遺伝子情報などを組み合わせて、ウイルスタイプと体質に応じた最適の治療法を探り、患者に提供したい考えだ。
 こうしたテーラーメード医療では、患者1人1人に最も適した量の薬を処方できるため、投与する薬の量も必要最小限に抑え、副作用のリスクを減らすことも可能になる。脇田部長は「患者の肉体的、金銭的な負担の軽減につながるだろう」と話している。


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