『不眠症-4』

 安全になった睡眠薬 
内山真・精神保健研究所部長

 
  

 ―睡眠薬は怖いとのイメージがありますが。

 「それは古いタイプの薬によるものです。昔は睡眠薬自殺が多かったのですが、精神安定剤から開発された今の睡眠薬は生命に危険を及ぼすことがほとんどなく、睡眠薬自殺という言葉は死語になりつつあります」

 ―ほかに新しい睡眠薬の特徴は。

 「習慣性が強く、依存症になりやすい問題も改善されました。ただアルコールと一緒にのむと記憶が無くなったり、もうろうとしたりと、ひどい副作用が出る恐れがあるので注意が必要です」

 ―長期間使っても大丈夫ですか。

 「不眠症が早く治るに越したことはありませんが、医師の指示を守って服用するなら、それほど心配いりません。新しい睡眠薬を用いた研究では、不眠を我慢するより、適切な薬物治療を受けた方が日中も快適かつ充実して過ごせるとされています。うつ病治療で抗うつ薬に適切に睡眠薬を併用すると、うつ症状が早く改善するとの結果も出ています」

 ―そのほかには。

 「米国で一時、健康食品として人気が出たメラトニンは、体内時計の乱れを整える作用があります。うつ病など精神、神経疾患による睡眠障害には効果はなく、眠りを起こす作用も弱いですが、体全体を眠りに適した状態にしてくれます」

 ―それは薬として使えるのでしょうか。

 「いろいろな食物にも含まれる成分です。米国では昨年、メラトニンの作用を応用した新しい睡眠薬が認可されました。メラトニンより眠りへの作用が強く、副作用が少ない薬です」

―睡眠薬は怖くない。

  「ええ。このほかにもより安全な薬を求めて開発が進んでおり、この2、3年で状況はさらに大きく変わると思います」(完)


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